ワンダーウーマン

ワンダーウーマン “Wonder Woman”

監督:パティ・ジェンキンス

出演:ガル・ギャドット、クリス・パイン、ロビン・ライト、ダニー・ヒューストン、
   デヴィッド・シューリス、コニー・ニールセン、エレナ・アナヤ、
   ユエン・ブレンナー、サイード・タグマウイ

評価:★★★★




 『ワンダーウーマン』、もしかしたらイケるかもしれないという予感はあった。退屈な「バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生」(16年)で唯一輝いていたのが、実は出てこなくても全く話に影響を与えない、ワンダーウーマンだったからだ。ワンダーウーマンのテーマ曲が流れると「キタキタキター!」と雄叫びを上げたくなるくらいに。

 何と言っても、ガル・ギャドットがワンダーウーマンに怖ろしいくらい完璧にハマっている。ミス・イスラエルという肩書きあれど、その他大勢の女優たちと簡単に一括りにできるB級女優のイメージが強かったギャドットが、露出度高めのコスチュームを身に着けるや否や、瞬く間に神々しさを湛えるのに驚愕する。顎の尖った卵型の顔。野心と優しさを同時に宿す眼差し。いやらしさを感じさせる唇。凛とした黒髪。細過ぎず太過ぎずの肢体。剣と盾を構えて走り出せば、ギャドットはワンダーウーマンでしかなくなる。にやけるほどに色っぽく、問答無用で格好良い。

 ワンダーウーマンが女だらけの島で育ち、男を、他の種族を見たことがないという恍けた設定がユーモラスな味になる。これを「天然」と捉えることも可能で、ギャドットの個性も手伝い、神々しくありながら隣の女の子風の魅力も具えているのが面白い。マーヴェルを意識したのか、戦争を絡めるあたりは「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(11年)風、カルチャーギャップで笑いを取りに来るあたりは「マイティ・ソー」(11年)風。でもそんなことを気にさせることがない愛されキャラクターだ。

 アクションはスローモーションが多用される。本来肉体の魅力を殺しかねない手法なのだけれど、ここではむしろ歌舞伎の見得のような効果を上げている。身体のバネを最大限生かしたアクロバティックな動きが可笑しい。どれだけ激しく動いても傷ひとつ作らないワンダーな戦士。彼女をどう映せば魅力的に見えるのかを知り抜いたカメラワーク。やり過ぎと言われても仕方ないカットでも、ギャドットはそれに応えるフォトジェニックな被写体でもあるのだ(ほんの僅か、野暮ったく見えるのはもちろん確信犯だろう。その方が楽しいから正解だ)。

 中盤、アクション場面が極端に少なくなる点は気になる。ただ、この部分をじっくり描くことで、物語が思いがけない角度から輝き出すことは気に留めたい。第一次世界大戦のど真ん中に無垢なワンダーウーマンを放り込むことで、フェミニズムとは何か、ヒロイズムとは何かという問い掛けが浮上することを皮切りに、人間が人間であるがゆえに起こる途切れない戦争の現実が次々露わになる。

 「世界は善意で満ちている」。そう信じるワンダーウーマンでさえも、人間の愚かさを認めざるを得ない。そこに落とし込んだところから、それでも人間を信じたい気分にさせるところに脚本の技がある。自分に何ができるか。それを胸にワンダーウーマンが再び立ち上がる。クリス・パイン演じる「相手役」も決して使い捨てにされはしない。彼は人間の希望の象徴だ。彼らの雄姿が胸を熱くさせる。ヒーロー映画はこうでなくては。





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