ウィッチ

ウィッチ “The Witch”

監督:ロバート・エガース

出演:アニヤ・テイラー=ジョイ、ラルフ・アイネソン、ケイト・ディッキー、
   ハーヴェイ・スクリムショウ、エリー・グレインジャー、
   ルーカス・ドーソン、サラ・スティーヴンス

評価:★★★




 魔女狩りがテーマの映画は少なくない。ただ、『ウィッチ』は家族内でそれが起こることが目新しく、面白い。17世紀ニューイングランド、とある事情で村を追われた父と母、子どもたちの八人家族が越した先、魔女が棲むという噂の森の外れで、狂気の渦に巻き込まれる。はっきりと低予算で、でも、はっきりと面白い。

 赤ん坊の消失から始まる怪異。凶作。ヤギの血。長男の行方不明。文字にすると何とも地味でも、身体の芯から冷える恐怖が感じられる。視覚効果や大音量に頼らず、想像力という名の武器を最大限活かしている。

 映像は暗い。それどころか何が映っているのか、瞬時に判断できないところがあり、ストレスを誘う。照明の力に頼らない心意気の表れ…と好意的に解釈するのはさすがに無理があるだろうか。ただ、その分人間の肌が強烈に目に残る。とりわけ、魔女の疑いをかけられる長女の真っ白な肌。

 心理的恐怖で迫った前半と異なり、後半、長男の帰還と共にハイテンションな魔女狩りが始まる。この流れが前半に蒔かれていた伏線の効果により、大変説得力がある。信仰という人の救いになるものが、場合によっては人を誤った方向へと誘う感じが良く出ている。特にケイト・ディッキー演じる母親がおっかない。

 ただ、MVPはやっぱり長女を演じたアニヤ・テイラー=ジョイだろう。離れ目をほとんど気にさせない美しい撮り方がなされていて、彼女の表情だけで立派にホラーが成立する。追い詰められる恐怖に吸引力を持たせられたのは、間違いなく彼女の功績だ。クライマックス、まるで一息で魅せるような芝居も大いに見もの。

 本当に魔女は存在するのか。答えをぼかしたまま進む物語には、不完全にしか生きられない人の哀れと、それに気づきつつ目を背けるしかない哀しさが表れている。そしてそれこそが魔女の正体だとでも言いたげに…。だからラスト数シーンは余分に思える。ある人物の死で切り上げた方が、良い意味で嫌な感触が残ったのではないか。





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