ニューヨーク、愛を探して

ニューヨーク、愛を探して “Mothers and Daughters”

監督:ポール・ダドリッジ

出演:セルマ・ブレア、コートニー・コックス、エヴァ・アムリ・マルティーノ、
   クリスティーナ・リッチ、スーザン・サランドン、ミラ・ソルヴィーノ、
   シャロン・ストーン、ポール・ウェズレイ、アシャンティ

評価:★★




 何組かの母と娘が出てくる。孤独な写真家は予期せぬ妊娠に直面し、ある女性は姉が実の母だと知って当惑する。また、モデルと付き合っている女性は生まれたときに養子に出した娘からの連絡に緊張し、ファッション界の大物は娘とのコンタクトが上手に取れない。女の数だけ母と娘がいる。そんな話、どこかで聞いたばかりだ。

 『ニューヨーク、愛を探して』は「マザーズ・デイ」(16年)のシリアス版だと受け止めれば良いだろうか。スター女優たち(と言うには、かなり旬が過ぎた感のある女優が多い)に母や娘を演じさせ、アンサンブル式にそれぞれの問題に触れていく。母と娘の数だけ問題は存在するのだとでも言いたげに。

 しかし、「マザーズ・デイ」と同じように、ここにはその問題に誠実に向き合おうという姿勢は見当たらない。問題の紹介とその解決場面は用意されても、その結論に至るまでに説得力を持たせるエピソードがちっとも出てこないのだ。彼らは泣きながら笑いながら、でもいつの間にか、自分だけが納得してすっきりしている。

 どのエピソードがいちばん薄っぺらだろうか。おそらくコートニー・コックスとクリスティーナ・リッチが母娘に扮するそれだろう。姉と思っていたコックスが母だと知り怒りを隠せないリッチの物語は、それだけで十分一本の映画にできそうな設定なのに(どこかで聞いたようなそれでもあるけれど)、リッチの心象の変化が見事に描かれない。いや、見事に触れられない。コックスはと言えば、最初から最後まで許しを請うだけだ。

 そもそもこの映画はアンサンブルの見せ方がなっていない。ひとつのエピソードに取り掛かると、他のエピソードについてすっかり忘れてしまう。編集の段階で、時間配分が上手く行っていないのだろう。常に気にかけられているのはセルマ・ブレアが出てくるエピソードだけで、ミラ・ソルヴィーノやリッチとコックスが出てくるエピソードなど、中盤全く存在感を示さない。

 つまりこの映画、母の偉大さを讃えようとしながら、そのふりだけで終わる。シャロン・ストーン扮する母親など、冷たい人間として登場しながら、終幕には突然理解ある人間に大変身。ほとんどギャグなのに、それをあくまでシリアスに見せようとするから質(たち)が悪い。母の複雑さを扱うには、無神経が過ぎるのだ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ