ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ “The Founder”

監督:ジョン・リー・ハンコック

出演:マイケル・キートン、ニック・オファーマン、
   ジョン・キャロル・リンチ、リンダ・カーデリーニ、
   パトリック・ウィルソン、B・J・ノヴァク、ローラ・ダーン

評価:★★★




 マクドナルドが大々的に映画で取り上げられるのは「スーパーサイズ・ミー」(04年)以来だろうか。良くも悪くもファストフード界のトップをひた走る大企業設立の裏側には何があったのか。普通なら痛快なアメリカンドリーム・ストーリーになりそうなのに、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』はそれを断固拒否する。

 最初はカリフォルニア南部の小さなバーガーショップに過ぎなかった。そこに至るまでだけで映画ができそうなエピソードが紹介される。マックとディックのマクドナルド兄弟がゼロから創り出したその店の親しみやすさに安心する。そうだ、ハンバーガーはこんなに身近な食べ物だ。効率性やスピード、そして(まさかの!?)品質が意識されたショップの彼方此方に、今のマクドナルドと通じるものが感じられる。

 そして、この店に目をつけるのがレイ・クロックなる人物で、彼こそが物語の主人公だ。ミキサーを売るためアメリカ各地を渡り行く彼は、店にすっかり魅せられるものの、兄弟の理念・信念を尊ぶのは最初だけ。次第に金と名声というものに憑かれたモンスターと化す。

 だからこそクロックを演じるのはクセの強いマイケル・キートンだ。散々運に見放されてきた男が、やっと掴んだチャンスを逃してなるものかと目をぎらつかせる。キートンが解放させていく怪物性が、アメリカンドリームなるものの闇を露わにする。マクドナルドが闘う場は不動産業界だと導かれる件など、ギョッとするところだろう。

 物語が進めば進むほど、我々が良く知るマクドナルドに近づく。その際感じる、不穏な気配。マクドナルド兄弟の無念とクロックのもはや誰にも止められない暴走が衝突して生まれる不況和音。我々はそれに気づくことなく、有り難く享受する。たとえモスバーガー派、ロッテリア派だったとしてもその影響からは逃れられない。

 クロックにしてやられるマクドナルド兄弟がとても良い。お喋りで陽気な兄マックと、生真面目で頭脳派の弟ディック。全然違うふたりはしかし、兄弟愛という言葉にすると恥ずかしくなってしまいそうなそれで、固く結ばれている。ジョン・キャロル・リンチとニック・オファーマンの掛け合いは、これぞ性格スターの技と言いたくなる味わいだ。アクの強いキートン=クロック劇場の中、ふたりが体現する絆がオアシスのような役割を果たしていた。





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