カーズ クロスロード

カーズ クロスロード “Cars 3”

監督:ブライアン・フィー

声の出演:オーウェン・ウィルソン、クリステラ・アロンゾ、アーミー・ハマー、
   クリス・クーパー、ネイサン・フィリオン、ケリー・ワシントン、
   リー・デラリア、ラリー・ザ・ケーブルガイ、ボニー・ハント、
   トニー・シャルーブ、グイド・クアローニ、ポール・ドゥーリイ、
   ジョン・ラッツェンバーガー、キャサリン・ヘルモンド、
   ジェニファー・ルイス、チーチ・マリン、
   ルイス・ハミルトン、ポール・ニューマン

評価:★★★




 フロントガラスに目を描き入れる手法が好きになれない「カーズ」(06年)シリーズなのに、『カーズ クロスロード』でまず感心したのはその画柄だ。ライトニング・マックィーンのライヴァルとして登場する次世代カーのジャクソン・ストームのデザイン。シャープなフォルムと黒と青紫を使った艶により高級感を完璧に創り出している。ストームの登場に伴いデザインを一新するマックィーンも赤を輝かせて善戦する。アニメーションの進歩にまだまだ限界点はない、ということか。

 作品毎にガラリとアプローチを変えるシリーズが今回テーマに選んだのは、人生の岐路というヤツだ。若くして頂点を極めた者であっても、いつしかヴェテランと呼ばれる年齢になり、後進の突き上げに限界を覚え、いつしか引退という道を選ぶ。スポーツ界独特のその残酷さ、それにまつわる翳りを捉えて見せるところ、なるほどピクサーらしい。もちろん、これを一般庶民の人生と重ね合わせることも可能だ。

 大事故からの復活を狙うマックィーンと若いトレーナーであるクルーズ・ラミレスとの関係を通して描かれる希望への道。その描写はピクサーにしては物足りない。最先端技術を揃えた施設や砂浜での特訓にさほど新味は感じないし、泥んこバトル場面の描写に至っては「雑」という言葉が浮かんだほどだ。

 ところが、これが後々効いてくるから侮れない。クライマックスはフロリダで開かれるレースだ。平凡な映画はここで、古きものの良さを知るマックィーンの大復活を讃えることを選ぶだろう。ところが、それがあっさり放棄される。そして、同じ志を持つ者たちが、その心の繋がりを通じて、精神的なバトンを受け渡していく過程が、アクションの最中に豪快に放り込まれるのだ。

 亡きポール・ニューマンが声を充てたドック・ハドソンへの敬意を存分に感じさせながら語られる、時が流れても変わることのない何かが、丁寧に優しく、そして大胆不敵に浮かび上がる仕掛けが素晴らしい。年齢を重ねた人ならば、自分の恩師と呼べる人を思い出すかもしれないし、己を慕う後輩の可愛い顔が過るかもしれない。手のないマックィーンとラミレスががっしり握手をしている画が見える。

 初登場キャラクター、ストームの扱いが単なる高慢ちきな若造なのは惜しい。マックィーンを利用しようとするスポンサーのスターリングもフォローなく終わる。ラジエーター・スプリングスの面々も、メンターでさえ、顔見せ程度の活躍だ。つまり作り手の熱量はマックィーンとラミレスに集中している。もう少しキャラクターのバランスが冴えれば、更なる充実感を得られたかもしれない。





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