パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 “Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales”

監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ

出演:ジョニー・デップ、ハヴィエル・バルデム、ブレントン・スウェイツ、
   カヤ・スコデラーリオ、ケヴィン・R・マクナリー、ジェフリー・ラッシュ、
   ゴルシフテ・ファラハニ、デヴィッド・ウェンハム、
   オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ポール・マッカートニー

評価:★




 「パイレーツ・オブ・カリビアン」(02年)シリーズは映画ファンに複雑な思いを抱かせる。ジャック・スパロウに扮したジョニー・デップから完璧なスター性を引き出すことに成功する一方、デップから彼特有の仄暗く詩的な空気を奪ってしまったからだ。シリーズを重ねる毎、デップが昔のデップでなくなっていく哀しさ・心苦しさは、「ギルバート・グレイプ」(93年)「エド・ウッド」(94年)「デッドマン」(95年)の頃の彼を愛する人には分かってもらえるのではないか。

 ただ、デップはそんなファン心理は全然気にしていないようで、『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』でも相変わらずの酔っ払い海賊演技を楽し気に披露する。もはや何の野心も感じさせないものの、陸でも海でも視覚効果だらけでも、恍けた身体くねくねの姿勢を崩すことがない。そしておそらく、こういうデップが好きという人も多いのだろう。

 監督は「コン・ティキ」(12年)で見事な海洋演出を見せたヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリ。ハリウッドに招かれた注目の監督が、その才能を浪費する(そしてその後絶不調になる)パターンを分かりやすく行く、平凡な画面作りに落胆する。視覚効果に物を言わせ、海賊船を美しく撮ることも忘れ、キャラクターを右往左往させるだけという無個性ぶりに驚愕。

 例えば、銀行強盗して街中を走り回る場面やゴーストのサメが小舟に襲い掛かる場面を思い出すと良い。肉体が動くという映画の醍醐味をあっさり放棄して、見た目のインパクトだけで勝負に出ている。チャンバラ場面の粗雑な撮影は語る気にもならない。

 重要なシリーズ新加入は三名。ゴースト海賊のハヴィエル・バルデム、ヒーロー役のブレントン・スウェイツ、ヒロイン役のカヤ・スコデラーリオだ。この内可哀想だったのはバルデム。ゴースト海賊のため、身体の大半が視覚効果に消されてしまい、本来の可笑しな持ち味が完全に消失。せっかくのジェフリー・ラッシュとの絡みも不発に終わっている。

 このシリーズはそもそもがその傾向にあるのだけれど、ゲーム感覚の物語展開でテキトーに遊んでいる気配がある。ポセイドンの槍、誰にも読めない地図、欲しいものがある方向を指し示すコンパス。不思議なアイテムをばら撒いて都合良く話を転がす。スパロウの強烈個性が立っていた頃はそれでも見られたものの、新味が消え失せた今となっては軽さを際立たせる結果しか残さない。更なる続編で改善…はされないだろうなぁ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ