キング・アーサー

キング・アーサー “King Arthur: Legend of the Sword”

監督:ガイ・リッチー

出演:チャーリー・ハナム、ジュード・ロウ、ジャイモン・ハンスゥ、
   アストリッド・ベルジュ=フリスベ、エイダン・ギレン、
   エリック・バナ、キングズリー・ベン=アディル、
   クレイグ・マクギンリー、デヴィッド・ベッカム

評価:★★




 今となっては信じ難いけれど、「ニコラス・ニックルビー」(02年)で映画初主演を飾った頃のチャーリー・ハナムは、「金髪の美青年」という形容がぴったりで、それはそれは綺麗だった。イングランド発の正統派美青年登場の気配を濃厚に漂わせていたものだ。それがどこをどう間違ったか、いや間違ってはいないのか、今のハナムは英国俳優では数少ないマッチョ俳優だ。筋骨隆々、なるほど『キング・アーサー』に抜擢されるわけだ。

 アーサー王は実在の人物なのかそうじゃないのかはっきりしない人物だから映画にしやすいのだろう。聖剣エクスカリバー、円卓の騎士、魔術師マーリン…もはやファンタジーの世界に迷い込んだ伝説も多い。ここでも巨大な像や蛇が暴れ、空中を魔物が飛び、悪い王はこの世のものではない物の力を借りて国を支配する。この設定が案外違和感を感じさせない。現実世界と幻想世界の境目が綺麗に溶けている。ガイ・リッチーのいちばんのお手柄ではないか。

 そう、監督はリッチーだ。「シャーロック・ホームズ」(09年)をバディ物のアクション・コメディにした男。アーサー王の世界観でもやりたい放題を決めたらしく、思い切り良く派手な画を畳み掛けている。迷いなく現実と幻想をぶつけたのが功を奏したようで、物語全体にスピード感がある。父母と別れて売春婦たちに育てられるアーサーの姿を矢継ぎ早に見せる件など、気持ち良くて驚く。ただ…。

 ただ、スピードを意識し過ぎたか、時にアーサー王の伝説の断片をダイジェストで魅せられている気分を誘うのはどうか。アーサーが己の進むべき道を見極めていく過程は粗雑だし、エクスカリバーを用いて己の力を覚醒させるエピソードはもっと時間を割いて描いて欲しい。登場人物が多く、それらを上手に出し入れできないのも閉口する。フラッシュフォワードとフラッシュバックを得意気に挿入するのも格好悪い。

 そしてやっぱりか、アクション描写が味気ない。クイックモーションとスローモーションを多用する例の演出が今回も彼方此方で飛び出すものの、ゲーム的感覚からは決して逃れられない。アーサーがエクスカリバーの力を存分に発揮、敵を蹴散らしていくカットなど、アングルやカメラの動きが本当にTVゲーム用の画だ。

 アーサーを亡き者にしようとする叔父ヴォーティガンに扮するのはジュード・ロウ。若いときを演じるときに髪を増やしていたのに笑いつつ、目の下の淀みの迫力が強烈。ヴォーティガンとアーサーの一騎打ちが当然クライマックスになるわけだけれど、これが視覚効果塗れだったのは完全に演出ミス。ここは剣と剣が華麗に空を舞うソード・アクションの決定版的画を並べなければならなかった。せっかくハナムとロウが対峙する数少ない場面でもあるのだ。ロウを魔物に変身させたままにするのも演技や肉体を軽視しているとしか思えない。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ