パトリオット・デイ

パトリオット・デイ “Patriots Day”

監督:ピーター・バーグ

出演:マーク・ウォルバーグ、ジョン・グッドマン、ケヴィン・ベーコン、
   J・K・シモンズ、ミシェル・モナハン、ヴィンセント・カラトーラ、
   アレックス・ウォルフ、テモ・メリキゼ、マイケル・ビーチ

評価:★★★




 「バーニング・オーシャン」(16年)ではメキシコ湾沖海底油田爆発事故を生々しく描いたピーター・バーグ監督とマーク・ウォルバーグが、今度は2013年ボストンマラソン爆弾テロ事件に挑む。リアリズムが重視された画面作りは同様でも、受ける印象は異なる。「バーニング・オーシャン」では人間の無力さ・傲慢さが凝視されていたのに対し、こちらは人間の強さ、愛の力が讃えられる。それゆえタイトルは『パトリオット・デイ』。

 この事件で多くの人の目にこびりついているイメージはやはり、沿道での爆発の瞬間を捉えた映像だろう。あんな大勢の人がいる中での大爆発に戦慄を覚えない人はいないはずだ。ただ、これはふたりの兄弟が仕掛けたテロ行為の一場面に過ぎない。バーグは入念なリサーチの上だろう、ボストン警察、FBI、州知事、一般市民、犯人兄弟…多くの人の視線を繋げることでその全容を探る。

 例えば、FBIを中心に大きな倉庫内で犯人を突き止める件は、防犯カメラと人間の知恵が融合した面白さがある。写真の公開を巡ってFBIとボストン警察が対立する件は、捜査の難しさが見え隠れする。そもそも普段なら対立が長々続きそうなFBIとボストン警察が事件解決に向かってひとつにまとまっていくあたりも、再現映像ではない緊張感が感じられる。

 冒頭から何の役割を果たすのか分からない人物の日常が紹介される(大抵は無名俳優が演じる)。そして、彼らの物語がパズルのピースを埋めるように事件で重要な位置を占めることが示されるあたりは、映画的な興奮が見える。ただし、バーグはそれをいたずらに刺激はしない。この映画を通じて浮かび上がる感情は、あくまでテロへの怒りなのだ。

 ただ、テロをきっかけに再びボストンが立ち上がることを謳う終幕には若干の違和感あり。ウォルバーグ演じる警察官は言う。悪魔と戦う武器は愛しかない。まあ、確かにそうかもしれない。ただ、事件に冷静さを持って挑んでいた作り手が(実際のニュース映像が効果的に挿入される)、途端に感情論に流されてしまったような気配を感じなくもない。

 まあ、その後たっぷり時間を割いて流される実際の事件の関係者へのインタヴューを見ると、バーグはむしろこちらの方を見せたかったのかもしれないとも思う。ボストンという街へのラヴレター。ボストンはまた、未来に向かって突き進んでいくのだと…。





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