エクスペリメント

エクスペリメント “The Experiment”

監督:ポール・T・シュアリング

出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー、
   キャム・ギガンデット、クリフトン・コリンズ・ジュニア、
   イーサン・コーン、マギー・グレイス、フィッシャー・スティーヴンス

評価:★★




 『エクスペリメント』は1971年にスタンフォード大学で実際に行われた監獄実験をベースにした映画。同じ実験を基にしたドイツ映画「es エス」(01年)もそうだったけれど、この話はやっぱり楽しくない。とても不快な気分になる。できることなら避けて通りたい。

 なぜそんな思いを抱いてしまうのか。人間の本能的な部分を容赦なく抉り出すからというのがひとつ。もうひとつは、我々がそれを承知の上で生きているからではないかと思うのだ。実験では求人広告で集められた者たちが模擬刑務所に入れられる。そこで看守役と囚人役に分けられ、決められたルールの中、2週間を過ごすことになる。果たして人間関係はどう動くだろうか。

 権力を持つ者と権力に押さえつけられる者。それは社会の縮図であり、実験の結果を待つまでもなく、大体の想像はつくだろう。力で押さえ込む快感とそれに負けない気骨。分別は人間ならではの武器だけれど、それが制御できないこともある。それを受け入れた上での人生だと、誰もが気づいている。そもそも作り手も冒頭、その後の展開を暗示する、弱肉強食の動物社会、或いは歴史映像を挿入している。分かった上での実験、そして映画作り。それが不快さに繋がっていく。

 ただし、「es エス」よりは見せ方が娯楽的になっている分、整理的不快感は少々和らいでいるように思う。ドキュメンタリー風に撮られていないのが救いと言うか何と言うか。もっと言うと、演じる俳優をじっくり観察できる余裕がある。不快さを覚えながらも、同時に冷静に俳優を眺められるのだ。個人的にクリフトン・コリンズ・ジュニアの登場が嬉しい。「トラフィック」(01年)以来、気になる性格俳優だ。

 鍵を握る看守役のフォレスト・ウィテカーはと言うと、これが「ラストキング・オブ・スコットランド」(06年)そのまんまだから苦笑してしまった。目を血走らせて、一本調子で凄味を利かせるばかりなり。イディ・アミンが蘇ったとしか思えない。ちゅーかウィテカー、あれ以来、どの映画でも暑苦しくて暑苦しくて。同じ顔をした鶴瓶の軽やかさを身につけてはどうか。

 そうそうこの映画、実話を基にしているという事実に関しては、堂々掲げていない。真実に寄り掛かって責任を放棄はしていないということで、そのあたりは好感が持てる。創作部分が多くて、そうできなかっただけだったとしても。





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