疑わしき戦い

疑わしき戦い “In Dubious Battle”

監督・出演:ジェームズ・フランコ

出演:ナット・ウルフ、ヴィンセント・ドノフリオ、セレーナ・ゴメス、
   エド・ハリス、サム・シェパード、ジョシュ・ハッチャーソン、
   ザック・ブラフ、ロバート・デュヴァル、ブライアン・クランストン

評価:★★




 やたら出演俳優が豪華なのはジェームズ・フランコが慕われているからなのだろうか。それとも原作のジョン・スタインベックの名前が効いているのだろうか。次から次へと有名どころが顔を見せて賑やかなこと。ただし、その語りは酷く真面目だ。

 1933年のカリフォルニアのリンゴ農園が舞台。…ということは、そう、大恐慌真っ只中で、労働者たちは恐ろしく安い賃金で使われている。『疑わしき戦い』は彼らが地主たちへストライキを起こす様を描く。この手のストライキはアメリカ各地で起こったようで、後の彼らの待遇の変化のきっかけになった。名もなき労働者たちのおかげで今の労働環境はある。あぁ、感動的…。

 …ということにならないのがミソだ。ストライキをけしかけるフランコのやり口が目的のためならば手段を選ばないというヤツで、嘘やはったりは当たり前、場合によっては味方に怪我を負わせることで一致団結を狙うという卑劣な作法も見せる。仕掛ける側の危うさが物語の単純構造を揺さぶり、資本主義や共産主義の問題や限界を露わなものとする。監督フランコの狙いは冴えている。

 ただ、狙いだけ良くても面白い映画にはならない。登場人物が整理されていないのが何より問題で、ヴェテランから若手まで次々実力派が出てくるものの、彼らでなければならない配役ではない。有効活用されているのは、ストライキの表向きのリーダーとなるヴィンセント・ドノフリオぐらいではないか。

 労働者たちの団結が強まったり弱まったりを繰り返すのは見どころのひとつなのに、三流週刊誌レヴェルの見出し以上のものは見つからない。三角関係やら嫉妬やら裏切りやらスパイ行為やら…そりゃ人間なのだろうからそういうこともあるだろうと承知しつつ、時代のうねりの中に放り込まれると酷くちんけに映る。

 物語はフランコの腹心であるナット・ウルフの視点を通して語られる。そしてウルフがフランコ以上のカリスマ性と怪物性を膨らませ、ある到達点に至るところにいちばんの興奮があるはずなのだけれど、これもイマイチ機能しない。クライマックスの演説が妙に中途半端に映るのがその証拠。終幕付近まで、狂言回し的な立場にしか置かれていないのが原因だ。脚本に斑があるということだ。





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