20センチュリー・ウーマン

20センチュリー・ウーマン “20th Century Women”

監督:マイク・ミルズ

出演:アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニング、
   ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ、アリア・ショウカット、
   ダレル・ブリット=ギブソン、テア・ギル、ローラ・ウィギンス

評価:★★★★




 これまでも個人史に親密な映画を撮り続けてきたマイク・ミルズらしく、『20センチュリー・ウーマン』では母と少年の姿が大々的に取り上げられる。1979年サンタバーバラを舞台にした人間模様。失敗を認めず、何でも分かっているという姿勢を崩さない母は、赤毛の写真家とハイティーンの少女という女ふたりを巻き込んで、15歳の息子を見守ることにする。

 母もなかなかのクセモノだけれど、写真家や少女も負けていない。支給に問題を抱えた写真家は物事をオブラートに包むことを拒否して、時に面倒臭い事態を引き起こす。少年とたった二歳しか違わない少女は気軽に少年のベッドに入り込み、でもセックスはさせない。子離れできているのかいないのか、息子の人生に寛容なのか不寛容なのか、微妙な線を行く母も含めて、女たちが豊富だ。

 当然少年は様々な価値観に触れることになる。身近な女は三人だけでも、ひとりの人間の触れる世界はひとつではない。少年は様々な場所で、様々な時間で、様々な局面で、新鮮な壁にぶち当たる。これが何とも心地良く、観る者は少年と同じように鼓動を早くすることになるだろう。

 もちろんミルズは価値観の善し悪しなど気にはしない。人の数だけある価値観、それに触れるだけで何かが変わっていく、それを愛でる。15歳ではまだ世界の端に線を引いてしまう。女たちはそれを取っ払う存在で、フリーマインドな母親のおかげもあり、毎日はますます輝き出す。女たちはそんな少年を見つめることで、己の別の姿を知る。定番とは言え、これまた気持ち良い。

 俳優たちのバランス感覚が光る。それぞれ個性の強いキャラクターが揃っているものの、誰かひとりでも前に出過ぎたり霞んだりしては、この快感は台無しになっていたのではないか。アネット・ベニングはますますオバチャンの匂いを濃くし、しかしこれまでになくカッコイイ。グレタ・ガーウィグは突飛な言動の裏に隠れた傷つきやすさが絶妙。エル・ファニングの些細なことで崩れてしまいそうな危うい存在感はサスペンスたっぷりだ。

 ところで、物語は79年に限定されているのに、登場人物の姿を通して20世紀の女たちの姿を映し出すという試みがなかなか面白い。生まれた時代によって人はある程度生き方が決められることがある。その中で人は居場所を見つけていく。その気配が、少年と女たちの交流に多面性を持たせている。





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