LOGAN ローガン

LOGAN ローガン “Logan”

監督:ジェームズ・マンゴールド

出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、ダフネ・キーン、
   ボイド・ホルブルック、リチャード・E・グラント、
   スティーヴン・マーチャント、エリザベス・ロドリゲス、エリック・ラ・サル

評価:★★★




 いきなりいつものウルヴァリンとは様子が違う。髪や髭には白いものが目立つし、顔や身体には疲れがあからさまに浮かんでいる。戦いが始まってもいつもの圧倒的強さは見られず、自然治癒能力も効きがよろしくないようだ。つまりウルヴァリンは老いたのだ。そして、そのため能力が衰えたのだ。ミュータントにそんな定めがあったとは…。ウルヴァリンが老眼鏡をかけるのは笑えるけど。

 そんなわけで『LOGAN ローガン』はヒュー・ジャックマンが役柄に遂に決着をつける作品だ。世界がジャックマンの名前を憶えてから早17年も経つ。ウルヴァリンにはどんなフィナーレが相応しいだろうか。ジェームズ・マンゴールドは頭を悩ませたはずで、そうして辿り着いたのが、そのまま西部劇の舞台として通用しそうな、砂埃舞う茶色の大地に彷徨う消えゆく魂の美だったというのが渋い。

 そう、ここでのウルヴァリンは老体に鞭打つという言葉がぴったりなくらいに満身創痍の状態。己も力の後退を自覚していて、ただ静かに暮らしたいと願っている。もちろんそれは叶わないわけで、命を削ることになってもそうすること価値のあるものに向かって動く様、そこにある美こそがいちばんの見どころだ。だからバトルにもどこか悲壮感が漂う。ただし、感傷の沼に足を取られることはない。

 マンゴールドはウルヴァリンに11歳の少女ローラをぶつける。ウルヴァリンと同じ能力を持つこの少女は何者なのか。…という謎は謎になっていない気もするものの、そんなのは些細なこと。とにかくこの少女を演じるダフネ・キーンの面構えとアクションが素晴らしい。アクションに関しては小さな身体を大いに活かした小動物の動きが取り入れられているのが最高で、でもこれは視覚効果の力が大きい。けれど、妖気漂う顔つきは正真正銘キーンの手柄だ。ウルヴァリンと並んでも全く迫力負けしない。

 ウルヴァリンとローラのアクションがこれまでのシリーズよりも大分残酷になっている。もちろん意図的なものだろう。朽ちていく身体と伸び盛りの身体が衝突する、その残酷な現実を反映しているかのような気配。ウルヴァリンやローラの長い長い爪は、どんな角度から見ても結局は殺戮の道具だ。小さなローラが生首を抱える画など、ヒーロー映画としては異例だろう。

 惜しむらくは老いたウルヴァリンだけでは満足できなかったか、もうひとりのウルヴァリンが登場することで、こちらは若々しく撮られている。つまりウルヴァリンとウルヴァリンが激突する。終幕の見せ場として用意されるものの、どうしても視覚効果の存在を思い出させてしまうのが損。老いたウルヴァリンの肉体そのものにかつての若さを映し出す技を見せて欲しかった。





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