ビジネス・ウォーズ

ビジネス・ウォーズ “Unfinished Business”

監督:ケン・スコット

出演:ヴィンス・ヴォーン、トム・ウィルキンソン、デイヴ・フランコ、
   シエナ・ミラー、ジェームズ・マースデン、ニック・フロスト、
   ジューン・ダイアン・ラファエル、エラ・アンダーソン

評価:★★




 簡単に言うなら、酔っ払いの出てこない「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)だろうか。たった三人の社員からなる弱小企業が大型契約を取りつけられるか否か、大企業と争う様が、出張先のドイツで繰り広げられる。ただし、酔っぱらっていない分、引き起こす騒動がちんけだ。

 女物のトレーニングウェアでジョギングするだとか、男女兼用サウナで下半身を晒すだとか、風俗小屋で男性器を握るだとか、デモ隊を突破してすってんころりんするだとか…その程度のハメ外しを可笑しいことだと勘違いした作り手が、アメリカから遠く離れた異国の地で呑気に戯れる。善良さを武器になんてしなくて良いから、倫理観を串刺しにして欲しい。

 これはつまり、『ビジネス・ウォーズ』が負け犬の逆転劇として観るには度胸が足りないということだ。正当な実力を評価してもらえないと自ら起業した中年男が、妻との離婚資金を作りたい定年男とやたら自分に自信のない若者を従えて挑む、人生の大勝負。こう言っちゃ何だけれど、バカ騒ぎすら遠慮が見えるようでは、企業の未来も見えているというものではないか。

 ここに主人公の家族問題が絡むのも気が抜けている。長男は太っていることが原因で学校で虐められているし、長女は同級生の男の子を殴って問題になっている。主人公は出張先で子どもたちのことについても思い悩むものの、本気でそれに取り組んでいないことは明らかだ。おそらく家族思いという点を強調して(それに対して巧く対処できない不器用さを愛でることで)、彼の善良さをアピールする道具にしているに過ぎない。それが透ける。

 無念だ。映画界で頭角を現してきた頃のヴィンス・ヴォーンは、エッジの効いた笑いにより、ハートとユーモアを大きなガタイに投影させていた。それなのに、「ウエディング・クラッシャーズ」(05年)の成功の後あたりから、ガタイの表面にだらしなくついた脂肪のように、その存在がぼんやりしたものになってしまった。何とか本来の姿を取り戻して欲しい。盟友ジョン・ファヴロー映画に出るなんて良いと思うのだけれど、どうだろう。

 トム・ウィルキンソンとデイヴ・フランコ、そしてヴォーンのアンサンブルも何の化学反応も起こらない。序盤にウィルキンソンが言う「男は獲物を持ち帰り、夜を掘るために出張へ行く」という意味ありげなセリフが何も説得力を帯びないストーリー。そう言えば、三人が何を売りたいのか、それすらはっきり見えないまま終わってしまった。





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