パーソナル・ショッパー

パーソナル・ショッパー “Personal Shopper”

監督:オリヴィエ・アサヤス

出演:クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガー、
   ジグリッド・ブアジズ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、
   タイ・オルウィン、ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン、
   バンジャマン・ビオレ、オドレイ・ボネ、パスカル・ランベール

評価:★★




 主人公は『パーソナル・ショッパー』。簡単に言うと、お買い物係だ。忙しいセレブリティに代わって洋服やドレス、ジュエリーの買い物を担当する。もちろん自分のセンスが物を言う。この職業は後々意味を持ってくるのだけれど、それよりもこれはゴースト映画の匂いが濃い。ただし、アート映画界におけるゴースト映画だ。まあ、オリヴィエ・アサヤスだしな。

 アサヤスは画面を視覚効果だらけにするような愚は犯さない。最低限のそれに留め、その気配を静寂と暗闇の中に掴まえる。ヒロインに霊媒能力があるという設定は、慎ましいその存在に気づくためだったのだ。それでもアサヤスはある場面で、黄色い煙のような霊を登場させる。気取りに見えるのは損だ。

 物語の途中より、ヒロインは謎のメールにつきまとわれるようになる。もしかして相手は死んだ双子の兄だろうか…という一連の描写が、ヒロインとスマートフォンの睨めっこにより進展してくのははっきりと退屈。ヒロインを演じるクリステン・スチュワートの所作の美しさだけではカヴァーできないものがある。

 ただ、駆け引きの中でヒロインが己の欲望を露わにしていくという流れは面白い。他人のために自分のセンスを利用するばかりだった彼女が、別人になりたいというシンプルな飢えに正直になっていく。ボスであるセレブのために用意したドレスを纏う場面の緊張感と艶めかしさは、いちばんの名場面だ。スチュワートの起用も効いてくる。別のドレスに身を包んで自慰行為に走る場面も目に残る。

 要するにアサヤスは、霊媒師としてのヒロインとパーソナル・ショッパーとしてのヒロインの人生を衝突させることで話を転がす。これが美しくハマらなかったのは、メインとなる事件と怪現象が結局繋がりを見せることなく終わってしまうこと以上に、イメージの飛躍に限界を感じさせるからだ。スチュワート頼みの面白い画はあっても、そこから更なる電流を走らせる大技は見当たらない。それをごまかすために気取っているのではないか。

 例えばそれは、ラストシーンの見せ方にも明らかだ。本編とは全く異なる白い世界の中での掛け合いに、頭でっかちな冷静さが見える。その直前、友人宅の庭でのやりとりも含め、蛇足というもの。こんなところまで曖昧にして芸術を語っても欠伸を誘うだけだ。





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