夜に生きる

夜に生きる “Live by Night”

監督・出演:ベン・アフレック

出演:エル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、
   シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、クリス・クーパー、
   レモ・ジローネ、ロバート・グレニスター、マシュー・マー

評価:★★★




 ベン・アフレックがデニス・ルヘインの小説を映画化するのは「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(07年)に続いて二度目になる。よほど思い入れの強い作家なのだろうけれど、それが毎度プラスに働くとは限らない。脚本と主演も務めた『夜に生きる』は、はっきりと詰め込み過ぎだ。ひょっとして原作で気に入った個所を漏れなく映像化したのではないか。

 アイルランド系とイタリア系のギャングが対立を深める1920年代のボストンから始まる物語。殺しが好きではないらしいアフレック演じる主人公は、アイルランド系ギャングのボスの愛人に手を出したことをきっかけに、ギャングの世界にどっぷり浸かることになる。ある復讐から動き出したアフレックが、瞬く間に大物にのし上がっていく過程。これが、何ともまあ、こってり極厚肉だけで固めたディナーのようだ。野菜も食えよ。

 酒を使ったビジネスが繁盛するのは基本。仲間との二人三脚。警官だった父への複雑な思い。心から愛を注ぐふたりの女。宗教の力。売春。銃撃に爆発、カーチェイス。KKKまで絡んでくるのだから忙しい。ちょっとした大河ドラマの趣。話を広げ過ぎた分、大味な印象は拭えない。前半か後半、思い切ってどちらかに絞っても良かったのではないか。

 …とは言え、失敗作だったとしても見所が残っているのは、監督アフレックの才能が本物だからか。禁酒法下のムード作りは満点だし、カメラワークの柔軟さや編集のリズムも気持ち良い。それにアフレックの下に集まった俳優の充実していること。ブレンダン・グリーソンやクリス・クーパーらが渋く脇を固め、シエナ・ミラーやゾーイ・サルダナも手堅く輝く。場をさらうのはエル・ファニング。大人の女に駆け上がろうとするその瞬間を見事に焼きつける。

 ただ、アフレックにこの主人公は無理だったか。スーツとハットでびしっと決める大人の男。スカせばスカすほど、間の抜けた長い顔が、スタイリッシュな画面に嫌われる。おそらくさり気なく施したつもりだろうアイメイクも、ちょっと違うのではなかろうか。

 クライマックスの銃撃戦は大いに魅せる。大邸宅に大物ギャングが集まっての駆け引きに、悪い男たちの楽しい気配あり。椅子に足を組んで腰かけたアフレック(足短い)が、あるギャングに言い放つ一言の背後からは、「キマッタ!」というアフレックの心の声が聞こえるようだ。どうせならここで切り上げて欲しい。蛇足でしかないエピローグがせっかくの余韻を台無しにする。





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