カフェ・ソサエティ

カフェ・ソサエティ “Café Society”

監督:ウッディ・アレン

出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、
   ブレイク・ライヴリー、スティーヴ・カレル、パーカー・ポージー、
   コリー・ストール、ジーニー・バーリン、ケン・スコット

評価:★★★




 「人生の無意味さを知り、それを祝福するんだ」。『カフェ・ソサエティ』に出てくるセリフのひとつだ。そしてこれこそ、ウッディ・アレンの永遠のテーマなのだろう。この映画に限らず、アレンの映画で描かれる人生は、コメディでもドラマでもスリラーでも、悲劇にして喜劇だ。アレンは人生なんて大袈裟に飾り立てるものなんかじゃないとぼやきながら、でもそれにウインクをすることを忘れない。

 アレンが狙いを定めるのは1930年代だ。映画スターが映画スターだった時代。そこで可愛らしくも皮肉たっぷり、哀しくも可笑しい恋模様を展開させ、遠くに過ぎ去った日々へラヴレターを贈る。

 華やかなるロサンゼルスとアダルトなニューヨーク。陽気で虚飾に満ちた映画界と深い闇に潜り込むギャングの世界。太陽がさんさんと輝く昼間とネオンに頼るしかない夜。親しみやすいカジュアルな装いと目が眩むばかりのゴージャスなドレス。狡くて計算高い駆け引きと純情で正直さに支えられる真心。甘味と苦味。いくつも対比を積み重ねながら時代を語り上げるのが名人芸。

 とりわけふたりの美女の対比は、主人公の青年が挟まれることで強い印象を残す。ブルネットのクリステン・スチュワートは月の輝き。ブロンドのブレイク・ライヴリーは太陽の輝き。相変わらず童貞にしか見えないジェシー・アイゼンバーグがふたりに愛されるだけでも嬉しいけれど、この三角関係が時代に美しく溶けているのがより嬉しい。

 時代の二面性描写は堅苦しい分析に頼らない。アレンはどちらの要素も柔軟に出入りさせる遊びを見せる。例えばカジュアルなスチュワートをドラマティックに飾ったり、女神のようなライヴリーから生活臭を引き出したり…といったカットをしれっと挿入する。こういう茶目っ気がアレンだ。茶目っ気と言えば、アイゼンバーグの兄でギャング役のコリー・ストール(大好きな俳優だ)が「ミッドナイト・イン・パリ」(11年)に続いて髪ふさふさで出てくるのもニンマリ。

 もちろん時代のアイテムは目の保養だ。家具、食器、建築、雑貨、衣装、化粧、音楽…いちいち魅せる。別に豪華絢爛じゃなくても良いのだ。スチュワートが好んで身に着けるカチューシャやリボンなんて、最高に可愛い。時代を味方につけた者たちは佇んでいるだけで格好良い。夕暮れ時のニューヨークの公園でアイゼンバーグとスチュワートが話す場面。胸が高鳴るとはこのことだ。





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