バーニング・オーシャン

バーニング・オーシャン “Deepwater Horizon”

監督:ピーター・バーグ

出演:マーク・ウォルバーグ、ケイト・ハドソン、カート・ラッセル、
   ジョン・マルコヴィッチ、ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、
   ダグラス・M・グリフィン、ジェームズ・デュモン、ジョー・クレスト、
   ブラッド・リーランド、J・D・エヴァーモア、イーサン・サプリー、
   トレイス・アドキンス、ジャストン・ストリート

評価:★★★




 2010年4月20日、メキシコ湾沖の石油採掘基地で起こった海底油田爆発事故。その裏側では何があったのか。ハリウッドが映画化するとなると、大抵の人は大事故の裏で活躍した名もなきヒーローを讃えるアクション・ドラマになることを想像するはずだ。「アポロ13」(95年)風に失敗からの大逆転劇を思い浮かべることも可能だろうか。ピーター・バーグはそのどちらをも拒否する。バーグが目指すのは徹底した現実感だ。

 したがって映し出されるのは、大事故の前になす術のない屈強な男たちの右往左往だ。マーク・ウォルバーグは自ら怪我を負いながら人命救助に当たるし、カート・ラッセルはぼろぼろの身体で的確な指示を出す。それでもできることは限られる。一刻も早く現場から脱出すること。男たちにできるのはそれだけだ。そしてそれが簡単なことではない。

 そう、『バーニング・オーシャン』の真の主役は基地を真っ赤に包み込む爆発だ。視覚効果は大量に投入される。爆発と悲鳴、怒号に塗れた現場を生々しい音が切り裂く。人物を捉えようとしても誰が映っているのか判断し辛いところが多いし、そもそもカメラが大きく揺れる。しかしこれを、昨今ハリウッドで流行りである、過剰視覚効果、過剰編集の病と見るべきではない。バーグは人の支配から大きく離れた混乱に観る者を引きずり込むのだ。

 事故が人災であることはよく知られている。遂に爆発が起こるまでの基地の様子にも緊迫感がある。バーグは周到に嫌な気配を絡ませる。溢れ出る炭酸飲料。エンジンがかからない車。マゼンタのネクタイ。ヘリコプターへの鳥の衝突。その先で愚かな笑みを浮かべるのは、安全よりも利益を優先させる企業の上の人間だ。バーグは明らかなる人災をアクションやスリラーではなく、ホラーとして撮っているようにも見える。

 発掘業の詳細は頭の回転の鈍い者にも分かるようにもう少しじっくり描写しても良いし、基地内部の構造が分かり難いのはややストレスが溜まるところ。あまりにアッという間に絶体絶命になるので、そのあたりの気になる点は吹き飛んでしまうものの、粗雑に感じられるのは損ではないか。

 役者ではウォルバーグよりもラッセルが魅せる。言葉は多くないものの、自分の仕事に信念と誇りを持つ、プロとしての姿勢が格好良い。ジョン・マルコヴィッチとやり合う場面は前半の見せ場のひとつだろう。ラッセルが「バック・ドラフト」(91年)に主演していたのと今回のキャスティングは関係があるのだろうか。

 なお、日本人としてはこのドラマからどうしても福島原発を連想してしまう。余計に胸が痛む。





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