美女と野獣

美女と野獣 “Beauty and the Beast”

監督:ビル・コンドン

出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス、
   ケヴィン・クライン、ジョシュ・ギャッド、ユアン・マクレガー、
   スタンリー・トゥッチ、ネイサン・マック、ググ・バサ=ロー、
   オードラ・マクドナルド、イアン・マッケラン、エマ・トンプソン

評価:★★★




 『美女と野獣』と言ったらやっぱり、美しく輝く大広間でベルと野獣がワルツを踊る場面だ。紳士的に着飾った野獣とレディへと変身を遂げたベルが、たったふたりでロマンティックに舞い踊る。バックミュージックはもちろん「Beauty and the Beast」。アニメーション版(91年)のイメージを全く壊すことなく再現、ふたりの心の距離がぐっと近くなることをあまりにも優雅に見せる。

 そう、昨今は有名童話換骨奪胎映画が流行っているものの、「シンデレラ」(15年)同様、強引な新解釈をすることよりも、オリジナルの世界観を最新の技術で丁寧に蘇らせることに賭けている。それが正解であることは、次々目に飛び込んでくるお馴染みの画の数々が、それでもなお新鮮な光を放っていることを見ても明らか。単なる再現を超えて、砂糖菓子の世界に魔法がかかる。美は内面に宿るという大人にはむず痒く感じられるメッセージに堂々立ち向かう。

 ティーポットや燭台、置時計、羽箒や衣装ダンスが歌い踊るし、野獣もメイクよりは視覚効果の力を借りた表現が優先されている。…それにも拘らず嫌味な匂いがしないのが偉い。あくまで主役はベルと野獣の関係にあることが念頭に置かれ、視覚効果自体が出しゃばって画面を破廉恥に乱すことがない。ユアン・マクレガーやエマ・トンプソンらの達者なヴォイスパフォーマンスもそれを慎ましくサポートする。

 ミュージカルも前面に押し出される。18世紀のフランスの気配を取り込みながら、躍動感とユーモアを持った楽曲が落とされていく快感。アクションに直結しているのも愉快なところで、スロウナンバーで身体を揺らしているだけではなく、視覚を刺激するダイナミックなエネルギーが溢れている。それに…。

 それに…そう、ベルを演じるエマ・ワトソンが予想を遥かに超えて歌えるのだ。高音が綺麗に響く歌声は小鳥のさえずりのようだし、他のキャストの歌声の掛け合いも心地良い。もう20代半ばとは思えないほど少女性を残した佇まいがベルにぴったりで、表情をくるくる変えながら生き生きとファンタジーの世界を駆け抜けていく。

 ワトソンは前述のワルツ場面で美しさを絶頂に持っていく。野獣のイメージカラーであるブルーに対して、ベルのイメージカラーはもちろんイエロー。しなやかな動きには仄かに大人の香りも漂わせる。ラストシーンで見せるホワイトの生地に綺麗な刺繍が施されたドレスを纏ったショットも目に焼きつく。

 その他のキャストはベルを輝かせることに全力を捧げたかのようだ。誰もがファンタジーの住人として好ましく動く。とりわけ讃えたいのはガストン役のルーク・エヴァンス。悪役でありながらどこか憎めないチャーム。子分役のジョシュ・ギャッドとの楽しい掛け合い。ワトソン以上に驚く歌声の確かさ。スピンオフでもできそうな完成度で、ベルと野獣の恋を盛り上げている。





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