T2 トレインスポッティング

T2 トレインスポッティング “T2 Trainspotting”

監督:ダニー・ボイル

出演:ユアン・マクレガー、ジョニー・リー・ミラー、ユエン・ブレンナー、
   ロバート・カーライル、アンジェラ・ネディヤルコーヴァ、
   ケリー・マクドナルド、シャーリー・ヘンダーソン、ジェームズ・コスモ

評価:★★★




 約20年前、「トレインスポッティング」(96年)のマーク・レントンは、とにかく良く走っていたイメージがある。正確には逃げていたと言うべきか。『T2 トレインスポッティング』でもレントンは走る。最初の走りはジムのランニングマシーン上だ。そして彼はそこでしくじり、転倒する。レントンはそう、20年経っても惨めだ。

 レントンのエディンバラへの帰郷はすなわち、シック・ボーイ、スパッド、ベグビーとの再会を意味するものの、それは単純な同窓会には繋がらない。20年前、レントンが大金を持ってとんずらこいたこと、20年という年月の重みが、彼らの関係バランスを大いに揺さぶるのだ。

 …なんて大袈裟に言っても、ちっとも深刻にならないのが奴らの良いところだ。いや、深刻ではあるか。ただ、深刻であっても奴らはそれを嘆きつつも楽しんでいるかのよう。走れば走るほど、頭を使えば使うほど、逆転を狙えば狙うほど、「惨め」が膨らみ、でもそれが何故か爽快感を生み出す不思議。人は変われない。

 変われないものの、奴らの容姿の変化はそれだけで大いに見ものだ。シワと脂肪をたっぷり装着、しかし毛だけは少なくなり、昔と同じノリを目指せば、違和感が付きまとって離れない。絶妙のタイミングで挿入される20年前の映像が、瑞々しくも、今に影を落とす。

 20年越しの確執の行方に懸命にもがき、身体を躍らせるオッサン俳優たちがやっぱり愛しい。ユアン・マクレガーのレントン・スマイルは狂気の質を変え、ジョニー・リー・ミラーのハンサム・マスクは疲れを如実に感じさせる。ユエン・ブレンナーの呆けた顔は不安と期待を煽り、ロバート・カーライルのぶっ飛び方は憎らしくも吸引力がある。とりわけマクレガーとミラーの組み合わせが嬉しい。このふたりにジュード・ロウと加えた三人が、90年代後半、贔屓のブリティッシュボーイだった。三人が実生活で仲が良いと聞いたときは興奮したものだ。

 さらなる続編はできるだろうか。できたとしても20年後となると厳しいか。40代というのは映画の中で眺めるには実はかなり面白い肉体だ。擦り切れて使い物にならないほどではなくとも散見される衰えに味があり、しかも人生の浮き沈みを経たからこその詩情が感じられるのだ。レントンやシック・ボーイたちもまさにそういう肉体として蘇える。60代になった彼らの肉体では哀愁塗れになる危険がある。ダニー・ボイルなら何とかしてくれる。そんな気もするが…。





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