モアナと伝説の海

モアナと伝説の海 “Moana”

監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ

声の出演:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、
   レイチェル・ハウス、ジェマイン・クレメント、
   テムエラ・モリソン、アラン・テュディック

評価:★★★




 ディズニー・アニメーションのヒロインがお姫様でならなければならない時代はとっくに終焉を迎えている。王子様に守られるお姫様を否定する必要は全くないけれど、今の時代にアピールするのは、精神的にも肉体的にも、己の手で運命を切り開く女の子だ。『モアナと伝説の海』の主人公は、とある南の島に住む部族の娘にして、ほとんどアクション・ヒーローの趣だ。

 海に選ばれた彼女の名はモアナ。島の異変を食い止めるため、世界を創造した命の女神テ・フィティの盗まれたハートを返す冒険に出る彼女は、大海原に颯爽と立ち向かい、間違いなく格好良い。ヘソ出しの村娘ルックでカヌーや大波、嵐やモンスターに立ち向かう姿の凛々しさよ。かと言って、女を捨てているわけではなく、ちゃんと可愛らしい性格なのが良い。

 モアナの身体はスラリとしている。ただ、ポッキーのように細いモデル体型ではなく、意外に筋肉質に見えるのが面白い。モアナと一緒に旅する半神半人のマウイの筋肉はより分かりやすい。人の筋肉が気持ち悪くならない程度に楽しく表現されているのは、様々な表情を見せる海の表現と同時に、映像的な見もののひとつではないか。マウイの筋肉に彫られたタトゥーが動くというアイデアもキュートだ。

 ディズニー印らしく歌もたっぷりある。とりわけ耳に残るのはモアナ(アウリイ・クラヴァーリョ)による「How Far I'll Go」とマウイ(ドウェイン・ジョンソン)による「You're Welcome」だ。まだ十代のクラヴァーリョの歌声は幼く、ジョンソンは歌唱力抜群とは言えないものの、前者はハートと初々しさで、後者はヒップホップを取り入れたユーモアを持って、楽しく突っ切っている。映像との呼吸もパーフェクトだ。

 ファンタジー要素もある作品らしく、怪物が次々出てくるのはやや違和感あり。神話がベースに敷かれているとは言え、モアナの成長が物語の軸にあるので、あまりに現実から飛躍すると浮いてしまうのだ。やたら海をキラキラさせるのも考えて欲しかったところ。「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」(12年)みたい。

 それからせっかくなら、ディズニー的なお行儀の良さを打ち破る躍動があっても良かった。間違いなく胸躍る冒険。ただ、それがお利口さんのそれに美しくまとめられるのが、かえって物足りないと言うか。全てを丸く収める必要はないし、冒険の後に傷や痛みが残っても悪い後味にはならないだろう。それから島を神に見立てる手法は案外よくあるヴィジュアル、ここも捻りが欲しかったところだ。





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