雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う “Demolition”

監督:ジャン=マルク・ヴァリー

出演:ジェイク・ギレンホール、ナオミ・ワッツ、クリス・クーパー、
   ジュダ・ルイス、C・J・ウィルソン、ポリー・ドレイパー

評価:★★




 ジェイク・ギレンホール演じる主人公は交通事故で妻を亡くしたというのに全く哀しくないと言う。涙の一粒も零れ落ちない。がらんどうの心。無気力な身体。そこで義父の言葉を思い出す。心の修理も車の修理も同じだ。一度分解して組み立て直すんだ。

 『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』の取っ掛かりは、何と言うか、理系的な思考だ。心の整理をつけるために、頭の隅々までを見渡して細々考えることを優先する。何とも味気ないではないか。ただ、ここが面白いのだけど、ギレンホールは何と、本当に手当たり次第、身の回りの物を解体していくのだ。比喩に終わらない。

 心は具体的にどう対処したら良いのか分からない。けれど、目の前にある何かはバラバラにできる。そうすることで答えが見つかるかもしれない。ある意味、分かりやすく合理的で、事実ギレンホールは己を縛っていた何かから解放されていく。いや、そうなった気になっているだけなのか。

 そこに絡むのが自動販売機に送りつけた苦情の手紙がきっかけで知り合った母子との交流だ。こちらにはあまり目を引くやりとりはないものの、15歳だけど12歳の容姿、そして21歳の頭脳を持つ少年に対する主人公のドライな態度は妙に可笑しい。

 終幕に用意されるのは、やっぱりか、遂に主人公が涙を流す場面。そこに至るまでの流れに、喪失と呼ばれるものの不思議な表情を見ている。狙いは分かるものの、脚本のせいなのか、作為的に感じられる場面があまりに多い。奇妙な主人公の心象風景を見せるため、無理矢理不自然に人間関係を突いているような…。やたら気取った思わせぶりな編集は完全にマイナスだ。

 それでもギレンホールは見せ切る。元々暗い目周りがますます暗くなり、視線の先の何を見ているのかすら分からない悩ましさ。ちらつかせる狂気は決して「ナイトクローラー」(14年)のような怪物的なそれではない。静かに主人公の闇に寄り添っている。





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