ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド “La La Land”

監督:デイミアン・チャゼル

出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、
   ローズマリー・デウィット、ソノヤ・ミズノ、J・K・シモンズ、
   フィン・ウィットロック、ジェシカ・ロース、キャリー・ヘルナンデス

評価:★★★★




 同じ音楽を扱っているのに、こうも違うものか。「セッション」(14年)では若きジャズドラマーの狂気を描き出したデイミアン・チャゼルが、『ラ・ラ・ランド』では夢を語る。原題は“La La Land”。「La」とはロサンゼルス。そう、チャゼルはLAに魔法をかけるのだ。

 最初はその技術に舌を巻く。冬のLA。渋滞中の高速道路で突然始まるミュージカル。ひとりの女が車の外に飛び出したのをきっかけに、動かない車に苛立っているはずの者たちが、車と車の隙間や屋根を利用して舞い踊る。ほとんど一発撮り・長回しに見える。どうやってカメラを動かしたのだ。息を呑みつつ、心がいきなり高揚に包まれる。

 カメラの動きに唖然するのと同時に、その色彩感覚にも目を奪われるだろう。夢を持つ人たちが集まる場所に湿気た色は似合わないとばかりに赤・青・黄色・緑・オレンジが弾け飛ぶ。とは言っても、闇雲にばら蒔かれるわけではない。背景や構図とのバランスが完璧に設定される。夢が現実と接近するに連れ、色が落ち着いてくのも格好良い。

 けれど、結局はハートに魅せられる。愛する本物のジャズを後世に残したいピアニストの男と、オーディションに片っ端から落ちている俳優志望の女。いがみ合っていたふたりが接近し、夢を手繰り寄せるというシンプル過ぎるストーリー。ポイントは夢への姿勢だ。

 間違いなくふたりは夢により出会い、夢により引き寄せられ、そして夢により将来を思い悩む。物語は夢がどう形を変えるにせよ、人生の糧になることを美しく語る。夢を追いかけると犠牲は避けられない。ふたりも哀しい選択に直面する。ほろ苦い。しかしほろ苦さに宿る魂をチャゼルは愛でる。最後のミュージカル場面の哀しくて淋しくて、でも何という幸福感に満ちていることか。チャゼルの回答だ。

 それを表現するために選ばれたライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの輝きと言ったら!ピアノ演奏やダンス、歌唱で見せるプロの仕事。夢の中に放り込まれたふたりが、その肉体に情熱を刻むのだ。そこには往年のミュージカルスターとは明らかに違う現代性がある(チャゼルは過去の名作を真似ても適わないと気づいている)。とりわけストーンの身体の線の美しさには抗えない。ミュージカル中、そしてその前後の表情も決して見逃してはいけない。夢に輝き、夢に傷つき、そして夢により蘇るその力強さが大変細やかに描かれる。だから人は夢を追うべきなのだと語り掛ける。





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