ジョイ

ジョイ “Joy”

監督:デヴィッド・O・ラッセル

出演:ジェニファー・ローレンス、ブラッドリー・クーパー、
   ロバート・デ・ニーロ、エドガー・ラミレス、ダイアン・ラッド、
   ヴァージニア・マドセン、イザベラ・ロッセリーニ、
   ダーシャ・ポランコ、エリザベス・ローム

評価:★★★




 つくづく思う。ジェニファー・ローレンスは逆境を跳ね除けようと必死にもがく様が本当に画になる。『ジョイ』に出てくる家族は恋人に捨てられたばかりの父親、一日中ベッドにいる母親、やたらと批判的な腹違いの姉、別れてしばらく経つのに居候を続ける元夫…と心から頼りない。そればかりかローレンス演じるジョイ・マンガーノの足を常に引っ張る。彼女は家事に仕事に休む暇もない。だったらせめて放っておいてくれ。

 これまでのローレンスは貧困や独裁国家等、不条理な社会に立ち向かってきた。今回は家族だ。いや、もちろんヒロインは、ドクター中松もびっくりのアイデアグッズ(絞り要らずのモップなのが微笑ましい)の商品化を目指す過程で社会の厳しさにも直面する。ただ、肝心なところで彼女を転ばせるのは家族の足なのだ。それでもローレンスはめげない。何度も立ち上がる。

 ローレンスはだからと言って家族を極端に責めない。そんなことをしても事態が好転することはないと気づいているからだ。武器は物事を冷静に客観的に見つめる態度と、そして勝負時に決して怖気づかない度胸だ。ローレンスがこれを実に魅力的に見せる。まだ20代で美貌も輝くローレンスなのに、どこか40代と言っても通用するような貫禄を漂わせる。スタイリッシュなのに生活感もある。本当にスケールの大きな女優だ。

 デヴィッド・O・ラッセルはローレンスに惚れ込んでいるようで、彼女を魅せることを最優先に画作りしている。白いシャツとパンツだけで画を持たせられるのだから、そりゃそうしたくもなるだろう。ただ、他のキャラクターにももう少々の気配りは欲しかったところ。何もしないことすらできない彼らのダメなところに作為が感じられる。ラッセルはこの家族を大袈裟な昼メロ家族のように見ている。その演出は成功半分・失敗半分といった印象だ。

 エピソードでは通販番組で成功を収めるまでの件が最も面白い。番組の裏側の描写も面白いし、生放送中に電話注文が殺到するまでの流れなどサスペンスもたっぷり含まれている。ローレンスと相性の良いブラッドリー・クーパーが番組関係者として登場、好アシストを見せるのも注目だ。

 物語を切り上げるタイミングはややすっきりしない。作品の大ヒットの後に商品の権利を巡る攻防が用意され、もちろんヒロインはそれをも乗り越えていくのではあるけれど、その逆転劇に案外爽快感が感じられない。法律が絡むことでスピード感が殺されたこと、それから突如ヒロインをスーパーウーマンのように撮り上げることでファンタジーめいたことが原因か。まあ、そんな中でも相変わらずローレンスは頼もしく、その凄みは一見の価値があるのだけれど…。





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