ナイスガイズ!

ナイスガイズ! “The Nice Guys”

監督:シェーン・ブラック

出演:ラッセル・クロウ、ライアン・ゴズリング、アンガーリー・ライス、
   キム・ベイシンガー、マット・ボマー、マーガレット・クアリー、
   キース・デヴィッド、ボー・ナップ、ヤヤ・ダコスタ、タイ・シンプキンス

評価:★★★★




 シェーン・ブラックと言ったら、世間では「アイアンマン3」(13年)になるのだろうか。確かに悪くない。愉快で、痛快だ。けれどどうか、「キスキス,バンバン」(05年)のことも忘れないで欲しい。ニューヨーク出身の泥棒がロサンゼルスで活躍するフィルムノワール・コメディ。ロバート・ダウニー・ジュニア復活の足掛かりを作った、ほとんど傑作に近い重要作だ。

 『ナイスガイズ!』は「キスキス,バンバン」のノリを楽しめる。ブラックが手にするのは「70年代」「ロサンゼルス」「探偵」、そして「ポルノ」だ。最強の組み合わせではないか。オープニングでいきなりそれを証明する。郊外の大邸宅。親の目を盗んでベッドの下からポルノ本を調達したボーズ。さあ、気持ち良くなろうといそいそ自分の部屋へ向かうとき、背後から車が飛び込んでくる。この流れだけでもわくわくするのに、車に乗っていたのが丁度ポルノ雑誌に載っている女優で、最期の言葉がボーズへの「私に乗りたいの?」なのだ!

 核にあるのはポルノ映画を通じて社会の闇を暴こうとした者たちをめぐる殺人事件だ。細かいところを突けば不自然さが拭えないのではあるけれど、ブラックは話の筋を太くして、それを気にさせない。ブラックがこだわるのは、その太い筋をいかにしてくすぐり、捩れさせるかという点だ。

 70年代風俗・文化の再現は当然として、やはり登場人物の描き込みが楽しいの何の。ラッセル・クロウが暴力に走りがちな優秀な探偵、ライアン・ゴズリングが格好良くキメようとしてはヘマを繰り返すへなちょこ探偵。このコンビが最低で最高。とりわけゴズリングの「ダメな子」ぶりがいっそ壮快だ。トイレの個室でひとり格闘する場面、遺体を発見して声が出なくなる場面、事ある毎に高所から落下する件等、抱腹絶倒場面を連打する。

 ただし、彼らを暴走させるだけで話を転がす無茶は避けられる。それにふたりともどこか影を背負っている。クロウが「殺し」にまつわる倫理を思い直す件、ゴズリングが世界最低の探偵の汚名を返上するのを娘に見せようとする件等が、分かりやすいか。そしてそう、彼らはゴズリングの娘を通して己を振り返る。娘役はアンガーリー・ライス。利発で、ちょっと生意気で、そしてとても可愛らしい。

 見せ場はどこだろうと考えたとき、コマッタ、どのシーンも良いのだ。何というところのない場面でも、絶対に何かしらのギャグが入り込み、それがいちいち面白いからだ。小さな技を積み重ね、最高の充実を導く。そうだ、シェーン・ブラックはそういう人なのだ。ぜひとも続編を希望する。





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