イーグル・ジャンプ

イーグル・ジャンプ “Eddie the Eagle”

監督:デクスター・フレッチャー

出演:タロン・エガートン、ヒュー・ジャックマン、クリストファー・ウォーケン、
   イリス・ベルベン、マーク・ベントン、キース・アレン、
   ジョー・ハートリー、ティム・マキナニー、エドヴィン・エンドル、
   ジム・ブロードベント、ダニエル・イングス、ルーン・タムティ

評価:★★★




 映画ファンにとってのカルガリー・オリンピックは、ジャマイカのボブスレー・チームを描いた「クール・ランニング」(93年)で馴染み深いところだけれど、この冬季オリンピックには英国でも予想外のスターが誕生していたという。エディ・エドワーズ、英国初のスキー・ジャンプ選手だ。

 …と言っても彼は優れた能力により注目されたわけではない。幼い頃に膝を悪くしていて、近眼で、体型はスポーツ選手風とは言えず、オリンピックの一年前にジャンプを始めた、一見どん臭そうな青年。その彼が何故人々の心を捉えたのか。『イーグル・ジャンプ』は、昨今誤用が多い、オリンピックの父、ピエール・ド・クーベルタンの言葉「参加することに意義がある」の真の意味を問い掛けるのだ。

 ジャンプ素人のエドワーズのオリンピックへの道がすっとこどっこいなものになるのは予想通りで、その姿は誰の目にも滑稽に映る。けれども、彼を笑いながら、でも眩しくて仕方がないところまで持っていくところに映画の美点がある。見て分かるように極めて危険なスポーツ。その高さに驚愕し、転倒し、大怪我をし、それでも飛ぶことをやめないエドワーズ。夢が恐怖を凌駕する瞬間を体現する男なのだ。

 型通りの物語からは様々なメッセージが読み取れる。目標を見つける意義。ポジティヴ思考の持つパワー。どれだけ他人に笑われても、自分を持つ人間にはそれが無意味であること。全く持って健全で、真っ直ぐだ。馬鹿正直とも言えるけれど、それが良いのだと堂々としている。そこから一歩引いたところで、己の価値観でしか物事を図れない人間が揶揄われているのも注目だ。

 エドワーズを演じるタロン・エガートンが好感度満点のパフォーマンス。この人は作品の度に表情が違う。外見を変えるのではなく、役への入り込み方の違いがそう見えさせるのだ。コーチ役のヒュー・ジャックマンはまさかの角刈りで登場。その脚の長さにびっくり仰天。エガートンとジャックマンの息の合った掛け合いが、役柄ふたりの二人三脚を輝かせる。

 ジャンプの舞台裏はもっと細かく観たい。精神論に走った描写が多く(ジャックマンがセックスに例えてレクチャーする件は笑える)、外側から見た通りの競技内容に終始する。選手や関係者しか知り得ない内部の実情を見たいと思うのは欲張りではないだろう。90メートルジャンプ、エドワーズと金メダリストのエレヴェーター内でのやり取りのような情報を上手に話に組み込んで欲しいのだ。

 クライマックスが最高に可笑しい。ジャンプ自体は一瞬で終わってしまうため、スローモーションで処理される。その際の関係者たちの表情が一様に大口を開けたもので、そこにエドワーズの無邪気な言動が被さってくると腹が捩れる。おまけに突如流れ出すのが、ヴァン・ヘイレンのあの「Jump」なのだ。ベタ過ぎて、サイコー。その後のエドワーズの足取りを調べてみると、まだまだ映画になりそうな逸話をたっぷり持った人物だ。続編を期待…するのはさすがに無理か。





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