ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち “Miss Peregrine's Home for Peculiar Children”

監督:ティム・バートン

出演:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、クリス・オダウド、
   アリソン・ジャニー、ルパート・エヴェレット、テレンス・スタンプ、
   エラ・パーネル、フィンレー・マクミラン、ローレン・マクロスティ
   ラフィエラ・チャップマン、ヘイデン・キーラー=ストーン、
   ジョージア・ペンバートン、マイロ・パーカー、
   ピクシー・デイヴィーズ、キャメロン・キング、ジョセフ・オドウェル、
   トーマス・オドウェル、ルイス・デイヴィソン、キム・ディケンズ、
   ジュディ・デンチ、サミュエル・L・ジャクソン

評価:★★




 つくづく思うのはティム・バートンに大金と子どもを近づけてはいけないということだ。最近のバートン映画の多くがつまらないのは、彼の持ち味である、弱者に寄り添う暗く繊細な気配が大味に感じられるからに他ならない。そしてその原因となるのが大金と子どもなのだ。

 ランサム・リッグズの小説を原作に持つ『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は、確かにバートン好みの設定と物語だ。社会に馴染めない少年が、特異な能力を持つ子どもたちが集まる世界での戦いを通じて、自分らしさを確認する。バートンが虐げられる登場人物たちに心を寄せていることは火を見るよりも明らか。喜々として彼らを演出する。

 ただ、それが巧く機能しない。大金を与えられたバートンは視覚効果にその多くを使うものの、画面が視覚効果塗れになり、そこにあるはずの翳りがかき消されてしまう。また、子どもを中心に置くと、分かりやすく直線的なバートンの想いがそれこそ子どもっぽく映り、大人が鑑賞するには厳しい幼さが前面に出る。時の止まった世界が思うように輝かない。

 …となると、映画自体が世間に溶け込むことのできない幼い魂の博物館に見えてくるから困りもの。身体が透明だったり、頭の後ろに口があったり、口から蜂を吐き出したり、ガラクタに命を与えたり…なるほど普通ではない彼はしかし、映画においてはよく見かける異端児たちではないか。次第に子ども版「X-MEN」に見えてくるのはどうなのか。

 とにかくロマンティックな匂いに乏しいのが無念だ。いつも同じ一日を生きるしかないという儚い空間。それがゲーム的に見えることはあっても、哀しく寂しく、それでいて人を惹きつけずにはおかないそれからはかけ離れている。絶頂期のバートンの映画は、確かにそんな空間があった。宙に浮かぶ少女の身体にひもを括り、凧のように少年が引っ張る画。それぐらいではないか。

 子どもたちの世話をするミス・ペレグリン役はエヴァ・グリーンだ。どうやら彼女こそ、バートンの新たなるミューズらしく、なるほどこれ以上ないほどにハマっている。ただ、クライマックスで彼女をずっとハヤブサに変身させたままにしたのは大きなマイナスだろう。彼女と悪役サミュエル・L・ジャクソンの対決こそ、誰もが見たいもののはずだ。





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