ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント “The Accountant”

監督:ギャヴィン・オコナー

出演:ベン・アフレック、アンナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、
   ジョン・バーンサル、ジェフリー・タンバー、
   シンシア・アダイ=ロビンソン、ジーン・スマート、
   ジョン・リスゴー、アンディ・アンバーガー

評価:★★




 前々から思っていたことを改めて思わずにはいられない。ベン・アフレックに頭のキレる役柄を充てるのはやめた方が良い。纏う空気が大味と言うか、ぬぼーっとしていると言うか、とにかく佇まいにシャープさがないため、どれだけスマートにキメようと、画面がぼんやりした印象になってしまう。あぁ、それなのに…。

 それなのに『ザ・コンサルタント』でアフレックが演じるのは、殺し屋という裏の顔を持つ優秀な会計士クリスチャン・ウルフなのだ。ある企業の財務調査で不正を発見したことをきっかけに命を狙われるウルフは、自閉症で、数字に滅法強く、銃の腕が冴え渡り、格闘技にも長けている。作り込まれたこの設定からも分かるように、物語は彼のキャラクターを軸に置いて展開する。アフレックへの違和感をずっと感じさせながら。

 人とのコミュニケーション能力は低く、大半は無表情。口数も少ない。けれど、数字を目にすると生き生きし、窮地に陥っても冷静さは失わない。身体を動かせば、目で追いつかないほどの技が次々飛び出す。つまりそう、これは彼のスタイルを愛でる映画なのだ。アフレックは思い切り気取ってキメているものの、人の好さは滲み出ても、ウルフのスタイルをモノにしているとは言えず、身体のどん臭さがばかりが目に入る。

 だからアクション場面になると、作り手の困った顔が見えるようだ。カメラを揺らすことで気分を出したり、身体全体を映すことを極力避けたり、或いは照明を暗くして細かいところに目が行かないようにしたり…。劇画タッチの画ではなく、クールな画を目指した作りの中では、主人公がスマートにハマらないと、話に乗ってやろうという気にはなかなかならないものだ。

 主人公の締まりのなさは物語に伝染する。登場人物を大量投入したは良いもののごちゃごちゃした印象が拭えず。時や場所を次々移動するため本筋が見え難い。肝心の事件に吸引力がなく悪も小粒。とりわけ過去の出来事を意識した場面とウルフを追うFBIの調査場面が物語のスピードを殺している。エピソードを厳選し、30分短くできたら、随分違った印象になっただろう。

 主人公とある人物の繋がりが判明する件はもっと装飾を加えても良かった。おそらく感動を意識したところがあったはずで、けれど引っ張った割にあっさり処理される。ヒロイン、アンナ・ケンドリックの動かし方も消化不良ではないか。おそらく作り手はシリーズ化を意識している。そのためにはとにかく、ウルフの人物像を鮮明にしなければならない。そちらに注意が飛び、映画の全体像への気配りが疎かになるというおかしな事態。アフレック同様、映画がぼんやりしている。





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