DEMON デーモン

DEMON デーモン “Blackway”

監督:ダニエル・アルフレッドソン

出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリア・スタイルズ、
   アレクサンダー・ルドウィグ、ロックリン・マンロー、
   レイ・リオッタ、ハル・ホルブルック

評価:★★




 これを物語と言って良いのだろうか。雪に覆われたアメリカ西海岸の田舎町、母の遺産である家を相続した女性が町で恐れられる悪人に目をつけられ、大変な嫌がらせを受ける。全てに決着をつけるべく、彼女は手を差し伸べてくれたふたりの男と共に、悪人を探し出す。話の大半は男の居場所を突き止めるための聞き込みだ。おんぼろトラックに乗り込んだ三人が雪道を行く画が、嫌でも目に焼きつく。

 『DEMON デーモン』は追跡劇のサスペンスを狙った映画ではない。事件の背後にある謎を解き明かす映画でもない。遂に悪人と対決する際のアクションに重きを置いた映画とも違う。これはある意味ホラーだ。時が止まったような寂れた町に住む労働者階級の者たちの精一杯の抵抗と、彼らを包み込む邪悪な気配を、観客の毛穴に沁み込ませる。悪魔は出てこなくても、ひんやりと冷たく、物哀しく、悍ましい。

 そういう狙いは分かるものの、もうひとつ手応えが感じられないのは何故。志は高くても退屈なインディーズ映画、その枠を突破できていない。中年女と青年、そしてジイサン。彼らの静かなる追跡の中にもっと盛り込めるものがあったのではないか。

 話が悪人を見つける旅に終始するのはさすがに芸に欠けるところだし、三人が命の危険を承知しながら悪人を見つけようとする動機も説得力が足りないだろう。悪人に奥行きが与えられないのも厳しいところで、レイ・リオッタのようなクセモノを配しながら、「あぁ、これはどう考えても悪人だ」と納得させるだけの顔面落ちで終わっている。

 だから、追跡する側の内に潜む悪人に通じる何かが迫らないのだ。自分の中にある悪に気づいているジイサンはしかし、それを仲間に告白しながら、その狂気は共感できるレヴェルに留まる。アンソニー・ホプキンスを調達できたのだ。もっと内なる悪を暴走させることもできただろうに。

 ヒロインはジュリア・スタイルズ。「恋のからさわぎ」(99年)や「セイブ・ザ・ラストダンス」(01年)から10年以上が経ち、予想以上にどすこいな存在感を醸し出すようになった。相変わらず声はドスが利いている。スター路線からは大きく外れたものの、これはこれで面白い。クライマックスの対決はスタイルズにもっと見せ場を作って欲しかった。





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