ネオン・デーモン

ネオン・デーモン “The Neon Demon”

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

出演:エル・ファニング、ジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、
   アビー・リー、カール・グルスマン、デズモンド・ハリントン、
   キアヌ・リーヴス、クリスティナ・ヘンドリックス

評価:★★★




 愚かしいほど簡単にまとめると、同じ業界に生きる女たちの嫉妬と欲望に塗れた物語だ。変化球が投げ込まれるため分かり難いものの、気に入らない女の上履きに画鋲を仕込んだり、便所で大勢で取り囲んで絞めたり…という世界に通じるものがある。ニコラス・ウィンディング・レフンがそれをスタイリッシュに外観を変えて差し出したのが『ネオン・デーモン』だ。

 モデル業界を舞台にしていると聞けば、華やかな舞台裏がいかにどろどろしたものであるかは、庶民でも想像がつく。レフンの才は、そのどろどろにいかに中毒性を擦り込むかに捧げられる。「ブラック・スワン」(10年)と「マルホランド・ドライブ」(01年)が溶け合ったような気配が面白い。

 画面の隅々までが洗練される。白を基調にした画面が、突如ネオンの色に変わる瞬間の暴力性。頭に突き刺さる電子ミュージック。魔術的な匂いを醸し出すメイクや衣装。とりわけカメラが捉える、白が少しずつ邪悪な何かに侵されていく様子が見もの。

 これまでのレフン映画に較べると土の匂いは希薄だ。しかし、相変わらず血の匂いはぷんぷん漂う。肉体の中を熱く流れるそれが表面に飛び出したとき、レフンの掲げる美が完成される。オープニングの血に塗れてソファーに横たわるヒロインのショットを例に挙げるまでもなく、目に残るヴィジュアルには血が必ず飛び散っている。

 レフンがエル・ファニングを主演に選んだのは当然だ。濁りのない透明感と永遠の少女性が侵されていく過程に何ともまあ、淫靡な魅力が溢れる。真っ白なファニングの中ですら蠢く黒いものも丁寧に掬い上げられる。ファニングも表情に捻りを入れる。

 終幕の展開は好き嫌いがはっきり分かれるところだろうけれど、個人的にはかなり好みだ。奇怪で悍ましいの魂の浮遊が、美しくひんやりと感じられる。その魂を自身のモノとして受け入れられた者だけが到達できる場所。怪物はそうして生まれ、きっと何も知らない我々の傍らで笑みを浮かべているのだろう。





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