ブラック・ファイル 野心の代償

ブラック・ファイル 野心の代償 “Misconduct”

監督:シンタロウ・シモサワ

出演:ジョシュ・デュアメル、アンソニー・ホプキンス、
   アル・パチーノ、イ・ビョンホン、アリス・イヴ、
   マリン・アッカーマン、ジュリア・スタイルズ

評価:★




 ジョシュ・デュアメル演じる弁護士が担当するのは巨大製薬会社相手の訴訟だ。試験結果を改ざんした薬により、200人以上を死に至らしめた疑いが持たれている。そう、『ブラック・ファイル 野心の代償』は社会派の匂いをぷんぷん漂わせる。しかし、その匂いは偽りのそれだ。

 何と言っても、話のくだらなさ・横暴さがとんでもない。思い切り社会派を気取っていた前半はポーズでしかなく、誘拐やら殺人やらが生臭い事件が次々起こり、個人レヴェルの私利私欲に雁字搦めになったせこいエピソードが連続する。嫉妬だとか、金儲けだとか、権力の保持だとか、まあ人間とは何と自分勝手な…という程度の感想を導く、スケールの小さな欲望。

 それを描きたいがために畳み掛けられるどんでん返し的真相の羅列は、もはや真面目に語っているとは思えないマヌケさだ。驚きよりもその強引さに呆れること必至。白を黒と言い切る。山を海と断定する。新垣結衣を渡辺直美と念押しする。それぐらいのバカバカしい画が並ぶ。

 しかも主人公が最初から最後まで苛立ちを誘う存在として真ん中に立つ。簡単に言うと、身の程を知ることなく大きなことに手を出す男で、まあそれは、自分を知る通過儀礼として許してやっても良い。けれど、それに気づかぬまま、いや俺はできる男だと勘違いしたまま暴走を繰り返す様は、見事にあんぽんたんだ。デュアメルがそういう役にまた、ピタリとハマるんだ。アンタは身体を動かしてなんぼだろ!

 そのデュアメルを囲むのがアンソニー・ホプキンスとアル・パチーノで、最初から何か裏を持っているようにしか見えないふたりが大袈裟な身振り手振りで、ほとんど棒立ちのデュアメルを強調する。アリス・イヴやマリン・アッカーマンら女優陣のチープさはデュアメルの肌に大変良く馴染む。しかし、とどめはイ・ビョンホンだ。役柄的にも演技的にも見事に木偶の坊。ハリウッドに進出してからずっとコレ。韓国で怒られていないのかな。

 実のところカメラワークは悪くない。アルフレッド・ヒッチコックやブライナ・デ・パルマの影響を感じさせる長回しや横移動、或いは俯瞰ショットが多用され、カメラではなく人物を動かす手法もまずまず。借り物と言えど、落ち着いて見られる場面は少なくない。そうか、全ては脚本のせいか。ある程度の技があっても酷い話が輝くことはない。それを証明する。撮影に敬意を表して、珍作に認定しても良い。





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