5時から7時の恋人カンケイ

5時から7時の恋人カンケイ “5 to 7”

監督:ヴィクター・レヴィン

出演:アントン・イェルチン、ベレニス・マーロウ、
   オリヴィア・サールビー、ランベール・ウィルソン、
   エリック・ストルツ、フランク・ランジェラ、グレン・クローズ

評価:★★★




 若い男が街中で人魚を見つける。男より年上の人魚は、気怠く煙草を吹かしている。煙に導かれるように、男は人魚に近づく。人魚は微笑む。男は微笑み返す。つまり相変わらずニューヨークには魔法がかかっている。「アメリカは死んでいる」というフランス人の人魚に、男はそうではないことを証明する。突然彼女にキスするのだ。

 設定は生臭いかもしれない。女は実は既婚者で、子どももふたりいる。つまりふたりの関係は不倫だ。それにも拘らず『5時から7時の恋人カンケイ』は軽やかだ。泥臭くない。女の夫は妻の若い恋人の存在を認める。タイトルにもある5時から7時の二時間はフランスでは不倫タイムに当たるらしく、その時間内であれば関係は許される。愚かしいルールの中、男と女が軽妙に戯れる。

 そう、軽妙さが命だ。泥沼に足を取られては笑えるものも笑えない。女が男を調教するようにリードする様。アメリカとフランスのカルチャーギャップ。繊細に切り取られる価値観の差。無闇に動かない静かなカメラワークや、カメラの視線がそのまま主人公のそれになるアイデア等、しゃれた演出が定番に愉快な味を添える。

 戯れるのはアントン・イェルチンとベレニス・マーロウで、どちらも柄に合っている。売れない作家が見せる純情はイェルチンの十八番とするところだし、彼で遊んでいるかのようで真心を決して忘れない人魚の佇まいをマーロウは的確に掴まえてみせる。とりわけマーロウが健闘。オルガ・キュリレンコにマーゴット・ロビーのエッセンスを振りかけた印象だ。

 限られた時間が輝くのは主役ふたりの相性の良さも大きいだろうけれど、ただ、ふたりのラヴシーンが色気という点で物足りないのは残念だ。本能的に惹かれ合うふたりであるならば、もっと大胆なセックス場面があっても良かった。縛りのある中で恋愛を楽しむ様も想像の範囲内のそれに留まる。ただし、品は大変よろしい。

 結末はありきたりかもしれない。魔法はいつか解けるものだというシンデレラに聞くまでもなくよく知られた現実、それに沿ったような展開が待っている。とは言え、魔法が解けた後、それまでとは世界が違って見える感じは良く出ている。紗がかかっていたものが取れて、美しく見えたものがより美しく見える。男と女が久々に顔を合わせる場面のマーロウの美しさがそれを証明する。





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