ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気 “Freeheld”

監督:ピーター・ソレット

出演:ジュリアン・ムーア、エレン・ペイジ、マイケル・シャノン、
   スティーヴ・カレル、ルーク・グライムス、ガブリエル・ルナ、
   アンソニー・デサンド、ジョシュ・チャールズ

評価:★★




 ジュリアン・ムーアが刑事で、エレン・ペイジが機械工。そしてふたりとも同性愛者だ。バレーボールの試合で知り合ったふたりが惹かれ合う様、なかなか楽しい。ムーアが主導権を握りそうに見えて、実はペイジがムーアを引き寄せている感じ。カントリーが流れるバーでダンスに興じる場面にニンマリ。

 作り手もふたりの相性の良さに気づいてしまったか、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』は本題に入るまでに60分も使うという愚を犯す。ムーアが肺癌で余命幾ばくもないことが判明、ペイジに遺族年金を残そうとするも、同性愛が理由で、それが認められない。ふたりは郡の委員会に働きかける。そう、これは同性愛者が平等を求めて社会と戦うところに話の核がある。

 物語は短編ドキュメンタリーをベースにしていて、そう、実話だ。事実が足枷になりやすい実話物の罠。ムーアがたったの2回しか委員会に出席しないのが物足りない。癌患者ゆえ身体の自由が利かなかったのだろう。仕方ない。けれど、彼らをサポートする面々が闘っている合間にふたりが愛を確かめ合っている様を見せられると、「愛は勝つ」なんて無責任に謳い上げるドラマに見えてくる。KANはどこ。

 ムーアとペイジが病室で想い合っている間に暴れるのが、委員会に抗議する運動を立ち上げるゲイの活動家スティーヴ・カレルだ。カレルと仲間たちは窮地の女ふたりを政治利用しているようにも見えるところが面白いのに、そこに深く斬り込みが入らないのが残念。無神経な善良人が騒いでいるだけにも見えるしな。

 それよりもムーアの同僚を演じるマイケル・シャノンが魅せる。ムーアへの仄かな恋心を隠して、しかし愛し合う女ふたりをしかと支えようとする様が泣かせる。シャノンが委員会でスピーチする場面、ここに映画のテーマが明確にされている。シャノンが口にすることで重みが出る。それにシャノンがこういう役を演じるのは珍しい。いかつい顔の誠実な眼差しに本物の人間愛が見える。頼もしい。顔がデカ過ぎるので、画面の遠近が狂うんだけど。

 物語は結局、同性愛者の権利問題と女ふたりのラヴストーリーが溶け合わないままに終わる。当然のように意識されるのは泣かせだ。そんなことに気を取られているから、委員会が決定を覆すところがバカに見える。そんなにあっさり折れるなら最初から認めてやれ。呟く人は多いだろう。





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