ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 “Fantastic Beasts and Where to Find Them”

監督:デヴィッド・イェーツ

出演:エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、
   アリソン・スドル、エズラ・ミラー、コリン・ファレル、サマンサ・モートン、
   ジョン・ヴォイト、カルメン・イジョゴ、ロン・パールマン、
   ジョニー・デップ、ゾーイ・クラヴィッツ

評価:★★★




 ハリー・ポッター支持者なら名前を憶えているのか。ニュート・スキャマンダーは最近のホグワーツで教科書として使われる「幻の動物たちとその生息地」の著者だ。魔法動物を愛する彼は、世界中を旅してその生態を研究しているらしい。魔法使い版のアーネスト・トンプソン・シートン、或いはムツゴロウさんと言ったところか。

 演じるのはエディ・レッドメインだ。役者は二種類に分けられる。ファンタジーが似合う顔と似合わない顔だ。そしてレッドメインは、明らかに前者に属する。すらりとした細身の身体の上に乗っかった驚異の童顔。人付き合いが苦手な空気を纏う眼差し。人間的所作から離れても違和感のない動き。何より彼は、魔法使いにはお馴染みのアイテム、「杖」がしっくり来る。

 しかも舞台は、1920年代のニューヨークと来た。イギリスから船に乗ってやってきたニュートのファッションが、ベストやコート、蝶ネクタイやブーツを組み合わせたものなのも冴えているし、ジャズが溢れ、禁酒法に縛られた当時の風景にもしっかり溶け込む。いつも抱えている茶色のトランクも素晴らしいアクセントだ。つまり『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、ヴィジュアルは余裕で合格ラインを突破している。

 惜しむらくは物語の方で、ニュートのトランクから抜け出した魔法動物の捕獲作戦と、大都会で頻発する謎の怪事件の顛末が、こじんまりとまとめられた印象。「ハリー・ポッター」シリーズはヴォルデモートという絶対的悪が背後に蠢くことで、冷え冷えする不穏な匂いを醸し出していた。それに匹敵するものが感じられない。単に動物と追いかけっこしているだけに見える。

 それにニュートを始め、出てくる魔法使いが魔法の熟練者たちばかりで、杖ひとつで何でも切り抜けようとするのが安易ではないか。杖を振りかざして魔法をかけるポーズは完璧でも、肉体がほとんど動かないので躍動感には欠ける。魔法を表現する視覚効果こそ見もの…というのでは寂しいだろう。せっかくコリン・ファレルやエズラ・ミラーのようなクセモノを配しても、意味をなさないのでは…。

 ニュートはどうやら孤独な青年だ。しかし、ニューヨークでは三人の気の好い仲間に出会う。四人が協力して窮地を切り抜けていくあたりは、ハリー・ポッターとその仲間たちを思い出す。仲間の中に人間が混じっているあたり、狙い通りなのだろう。仲間を演じる人選がまた絶妙で、とりわけキャサリン・ウォーターストンをまさかこんな役で起用するあたり、上手い。ドレスアップするときの20年代ファッションにも魔法の世界にも全く呑まれていない。レッドメインと同じく、ウォーターストンもまた、ファンタジー寄りの人なのだ。





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