ダークネス

ダークネス “The Darkness”

監督:グレッグ・マクリーン

出演:ケヴィン・ベーコン、ラダ・ミッチェル、ルーシー・フライ、
   ダヴィード・マズーズ、ミンア・ウェン、ポール・ライザー、
   マット・ウォルシュ、ジェニファー・モリソン

評価:★




 はっきり言ってしまうと、父と母、娘と息子からなる四人家族が悪霊に憑りつかれる『ダークネス』で最も怖いのは、父親を演じるケヴィン・ベーコンの顔つきだ。ただでさえ夜中に睨まれたら大の大人でも小便をちびりそうに怖い顔なのに、ここでは骨に皮が貼りついたかのように生気がなく目も虚ろだ。俺に何をやらせるんだ…なんて怒りながら演技をしていたのかもしれない。

 量産される芸のないホラー映画にはっきり分類できる作りだ。きっかけとなる出来事があり、怪現象が始まり、霊感の強い者から順番にそれに気づき、家族仲が悪くなり、霊媒師が呼ばれ、そして遂にお払いの儀式が始まる。分かりやすいにも程がある。

 そもそも悪霊が全然怖くないのだ。グランドキャニオンの洞穴のようなところで石の中に封じ込められていた悪霊。彼らは水を出しっぱなしにしたり、悪臭を放ったり、浴室や寝室に手形をつけたり…といった地味な行為を積み重ね、ようやく狙いを定めた息子を攫いにかかる。悪霊なら、もうちょっと過激に襲いなさいな。ちなみに息子役のダヴィード・マズーズはTVシリーズ「TOUCH タッチ」(12~13年)と全く同じ演技。

 そんな風だから、クライマックスになってもベーコンやラダ・ミッチェルのようなクセモノを父母に配しながら、見せ場がないのだ。身体を張らないベーコンは悪霊を前に厳しい顔を浮かべるばかり。ミッチェルにいたっては、遂に悪霊と顔を合わせることなく戦いを終了する。もしかして怪現象を発端にした夫婦仲の危機こそが、彼らの見せ場だったのだろうか。

 悪霊に気に入られる息子が自閉症という設定なのはどうなのか。怪現象全体が自閉症のメタファーに見えなくもないところが嫌な感触を残す。「ババドック 暗闇の魔物」(14年)が育児疲れのメタファーのように描かれていたのと較べると、問題に対する向き合い方に大きな差がある。単に無神経なのだ。

 尤も、そもそも画が面白くない。郊外にある普通の邸宅が舞台。そこにで起こる怪現象を切り取る照明が、てんでなってない。ムード作りすら放棄したかのように単調で味気ない画の羅列。全然悪霊が出没しそうな雰囲気がない。ご都合主義でも良い。先が読めても良い。ただ、悪霊を信じさせる空間作りだけは諦めてはいけなかった。





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