December 23-25 2016, Weekend

◆12月第4週公開映画BUZZ


沈黙 -サイレンス- “Silence”
 配給:パラマウント
 監督:マーティン・スコセッシ
 Budget:$50,000,000
 Weekend Box Office:$130,880(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:86.3 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:アンドリュー・ガーフィールド
           助演男優賞:アダム・ドライヴァー
           助演男優賞:イッセー尾形
           助演男優賞:リーアム・ニーソン
           撮影賞編集賞美術賞衣装デザイン賞
           録音賞音響効果賞作曲賞

“Patriots Day”
 配給:CBSフィルムズ、ライオンズゲイト
 監督:ピーター・バーグ
 Budget:$50,000,000
 Weekend Box Office:$161,306(7) Great!
 OSCAR PLANET Score:76.5
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:マーク・ウォルバーグ
           助演男優賞:ケヴィン・ベーコン
           助演男優賞:ジョン・グッドマン
           助演男優賞:J・K・シモンズ
           助演女優賞:ミシェル・モナハン
           撮影賞編集賞録音賞音響効果賞作曲賞

パッセンジャー “Passengers”
 配給:コロンビア
 監督:モルテン・ティルドゥム
 Budget:$120,000,000
 Weekend Box Office:$15,055,000(3478) zzz...
 OSCAR PLANET Score:38.1
 Oscar Potential:撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、視覚効果賞
           録音賞音響効果賞、作曲賞
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:クリス・プラット
           主演女優賞:ジェニファー・ローレンス

“A Monster Calls”
 配給:フォーカス・フィーチャーズ
 監督:フアン・アントニオ・バヨナ
 Budget:$43,000,000
 Weekend Box Office:$30,909(4)
 OSCAR PLANET Score:81.4 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ルイス・マクドゥガル
           助演男優賞:リーアム・ニーソン
           助演女優賞:フェリシティ・ジョーンズ
           助演女優賞:シガーニー・ウィーヴァー
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞音響効果賞作曲賞

SING シング “シング”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:ガース・ジェニングス
 Budget:$75,000,000
 Weekend Box Office:$35,258,145(4022) Great!
 OSCAR PLANET Score:66.7
 Oscar Potential:アニメーション映画賞主題歌賞

アサシン クリード “Assassin's Creed”
 配給:20世紀フォックス
 監督:ジャスティン・カーゼル
 Budget:130,000,000
 Weekend Box Office:$10,278,225(2970) zzz...
 OSCAR PLANET Score:31.4 BIG BOMB!!!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:マイケル・ファスベンダー
           助演女優賞:マリオン・コティヤール

“Why Him?”
 配給:20世紀フォックス
 監督:ジョン・ハンバーグ
 Budget:$38,000,000
 Weekend Box Office:$11,002,986(2917)
 OSCAR PLANET Score:40.8
 Razzie Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ブライアン・クランストン
           助演男優賞:ジェームズ・フランコ
           助演女優賞:ゾーイ・ドゥイッチ


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 もう二十数年も前から映画化されると言われながら実現されていなかったマーティン・スコセッシ監督念願のプロジェクトが『沈黙 -サイレンス-』。遠藤周作の小説の映画化になる。キリシタンの弾圧が行われている17世紀の日本。師が棄教したと聞かされ、真相を探るべく長崎へやってきた若き宣教師の物語。スコセッシの情熱が弾けるプロジェクトになることは当初から予想されていたものの、なるほど、その仕上がりは大変見事なレヴェルにあると批評家は絶賛態勢に入っている。人間の生きる意味や信念が、宗教問題を通して、かつての日本を舞台に迫力たっぷりに描き出されていく。思慮深く、エモーショナルで、冷静さを保ちながらも情熱的で、どうしたら題材が上手く輝くかを知り抜いた者によるマスターピース。スコセッシの見事な演出力、アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライヴァー、リーアム・ニーソン、イッセー尾形らのパワフルな演技、撮影や衣装等の技術も超一流。簡単に言えば、長く待たされた甲斐のある出来ということだろう。ところが、この絶賛が賞レース結果になって表れていないのが不思議なところで、批評家賞やゴールデン・グローブ賞ではこれまでのところほとんど無視された状態。作品の完成が遅れたため、まだ投票者に浸透していない影響なのか否か、それとも優れてはいてもスコセッシのベストではないという点が投票を躊躇わせるのか、各組合賞のノミネーション結果を見ないことには分からない。ひとつ言えるのは、オスカーで突如複数部門で候補に挙がってもおかしくない評を獲得しているということ。さてどうなるか。なお、興行的には素晴らしい数字が報告されている。 

 数カ月前に『バーニング・オーシャン』を発表したばかりのピーター・バーグ監督とマーク・ウォルバーグのコンビが続けて新作を発表。タイトルの『Patriots Day』は愛国者の日のことで、同時にボストン・マラソン開催日でもある。2013年、死亡者3名、負傷者282名という被害を出した爆弾テロ事件、当日何が起こっていたのかを探り出す。批評家の反応は『バーニング・オーシャン』同様に暖かなもので占められていて、どうやらこのコンビの相性はかなり良いらしい。単なるアクションスリラーに終わらない聡明さと悲劇に関わった人々への敬意が感じられる作り。現実世界に生きる本物のヒーローたちの姿が、誇張されることなく、体温を感じられる存在として立体的に描き出されていく。ウォルバーグを初めとする力あるキャストの演技も大いに見ものとのこと。これまでの賞レースではほとんど無視された状態ではあるものの、作品の製作意義は大いに認められている見て良いだろう。Box Officeにもこの賛辞が伝染したか、週末成績はなかなかの好記録になっている。

 「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(14年)でオスカー候補に挙がったモルテン・ティルドゥム監督、現在のハリウッドの女王ジェニファー・ローレンス、そして大ヒット連発絶好調男のクリス・プラット。これ以上ない強力な布陣で挑んだSFが『パッセンジャー』。別の惑星に向かうため5,000人が乗り込んだ巨大宇宙船が舞台。乗り込んだ者たちは120年の眠りに入ったが、作家のオーロラとエンジニアのジムだけが90年も早く目覚めてしまい…。“2016年の「オデッセイ」”になるのではないかと囁かれ、SFながら賞レース参戦もあるのではないかと言われていた作品だが、あらら、批評家からは厳しい言葉を投げ掛けられている。ローレンスとプラットが今が旬のスターらしい輝きに包まれ、そのケミストリーも上々ではあるものの、物語に欠陥が目立ち、その世界観にどっぷり浸かることは難しいのだという。一流が揃ったところで、それだけでは傑作にはならないという典型のような仕上がりの模様。これでは賞レース入りを望むのは難しく、実際、前哨戦前半ではほとんど完全無視を決め込まれている。それならばせめて興行成績で存在感を示したいのだが、残念無念、こちらも製作費に見合わない厳しい数字に終わっている。好調をキープしていたローレンスとプラットにとっては久しぶりの苦しい結果と言える。

 『A Monster Calls』はパトリック・ネスによる人気児童小説の映画化。病気の母を持ち、学校では虐められている少年と木の怪物の交流を描くダークファンタジーになる。子ども向けの内容かと思いきや、批評家は大人の鑑賞に耐え得る仕上がりだと歓迎している。暗く深遠なテーマとファンタジーが美しく溶け合っているのがポイントで、少年が成長していく過程を丁寧に見つめながら、エモーショナルなドラマが噓臭くなることなくハートたっぷりに描き出されていくのだとか。賞レース向きの作品ではないが、この賛辞を考えると、決してオスカーチャンスがゼロというわけではないだろう。とりわけ病気の母を演じるフェリシティ・ジョーンズが見せる演技は感涙必至との声が出ていて、もしかすると助演女優賞候補に挙がるのではないかとの見方もある。ただ、覇気のない興行成績を見ると、そこまでを望むのは酷かもしれない。

 近年ヒット作連発中のイルミネーション・スタジオによるアニメーションが登場。『SING シング』の舞台になるのは、動物たちが人間のように暮らす世界。コアラのオーナーによる閉館寸前の劇場が起死回生のアイデアとして、世界最高の歌のオーディションの開催を決定。歌自慢の動物たちが集まるが…。フランク・シナトラやビートルズ、レディー・ガガら新旧の人気アーティストの楽曲が次々カヴァーされる。それが売りであることを自覚した作りで、取り立て冒険心ある内容ではないものの、それを丁寧に元気良くアピールすることで、誰もが楽しめる仕上がりになっているとのこと。カラフルな画面やヴォイスキャストの達者なパフォーマンス等、観る者の頬を緩ませる要素も多々。好評と言って良い判定であり、アニメーション映画賞レース参戦を期待したいところだが、残念、今年の同部門レースは大変タイトで、これまでのところ全く目立っていない。おそらくオスカーで候補に挙がるとしたら最後の席になるのだろうが、現時点では厳しい位置と言えるだろう。それを跳ね返すためにも好記録を残したい興行成績はというと、これがメガヒット中の『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』には及ばずともなかなかのもので、ホリデイシーズン、ファミリー層の心をがっちり捉えたのはこの作品と見て良いだろう。オスカーに望みを繋いだと考えても良い。

 『アサシン クリード』は世界中で人気を博る同名VIDEOゲームの映画化したもの。記憶を失った死刑囚が遺伝子操作により祖先の記憶を追体験。現在と過去を行き来しながら歴史の影に隠れされた真実を探り出す。ゲームを原作にした映画が高評価を獲得した例はほとんどなく、この作品も例外に漏れず。視覚効果だらけの画面と骨格の脆いストーリー、魅力の薄いキャラクター。ファンタジーの世界からの飛躍に力がなく、アクションも取り立てて観るところがないとの指摘が多々。二度のオスカー候補に輝くマイケル・ファスベンダーの主演も力にならない。既存のゲーム原作映画よりはマシとの意見もあるのだが…。もちろん賞レース参戦はない。興行的にも惨敗。ゲーム好きからも無視された格好になっている。

 笑いを求める人には『Why Him?』がある。ホリデイシーズン、大学生の娘の過保護な父親と、娘の彼氏でエキセントリックな若い大富豪のバトルを描く。ブライアン・クランストンとジェームズ・フランコの激突が売りのコメディだが、批評家の反応は素っ気ない。捻りの効いたくすくす笑いはところどころ見られるものの、全体としては「父と娘の彼氏の対立」から想像できること以上の笑いは見受けられないとのこと。せっかくの優れた才能も無駄遣いされている。決して壊滅的な評が並んでいるわけではないものの、期待外れの結果と言えるだろう。賞レース、チャンスがあるとするならゴールデン・グローブ賞だったが、あっさり引っ掛かることなく終わっている。興行にも敗北臭がたっぷり漂っている。





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