ローマ発、しあわせ行き

ローマ発、しあわせ行き “All Roads Lead to Rome”

監督:エラ・レムハーゲン

出演:サラ・ジェシカ・パーカー、ラウル・ボヴァ、
   クラウディア・カルディナーレ、ロージー・デイ、パス・ヴェガ

評価:★★




 依然世界各国のイタリアへの憧れは強い。食べ物も衣服も芸術も風景も魅力的で、そこは決して行けないことはない天国に似たどこか。その裏にあるだろう厳しい現実は見ないことにする。ハリウッドもそんなイタリアを愛してきた。『ローマ発、しあわせ行き』もそんな映画。

 ただし、ここに描かれるイタリアにはさほど惹きつけられるものがない。物語を語ることを忘れて、どこを切り取ってもポストカードになりそうな背景に寄り掛かり過ぎるのだ。イタリアにやってきた母と娘が追いかけっこをするだけって…。物語の欠陥を受けたイタリアの呼吸が粗くなっているくらいだ。

 反抗期の娘は、イタリアなんぞに来たくなかった。アメリカにはボーイフレンドがいるからだ。けれどこやつがワルで、麻薬絡みの事件を起こして逮捕されたのを、娘のせいにしようとするようなヤツなのだ。恋は盲目。娘は母に悪態をついて、ひとり帰国するべく空港を目指す。ひょんなことから車に同乗することになったバアサンと共に。イライラを誘う娘の言動が演出のスピードを見事に殺す。

 ところが、こんな娘の取るに足らない話の方が、母親のそれよりも映画的だから驚く。母はと言うと、イタリアで初恋の人に再会し、彼と一緒に逃げた娘をのんびり追跡する。もちろんその道中には喧嘩ありいちゃこきあり。サラ・ジェシカ・パーカーの個性は全く活かされない。大体、衣装が花柄ワンピースとセルリアンブルーのカーディガンの組み合わせだけって一体…。

 娘と旅を共にするバアサンを演じるのが、あのクラウディア・カルディナーレで、彼女への敬意があるんだかないんだか、良く分からない。彼女は死んだ夫と知り合う前に付き合っていた男と結婚すべく、ローマを目指す。彼女の姿を見て、娘は心を入れ替えるという展開。確かにカルディナーレの物言いにはカッコ良いものがあるものの、最終的には彼女をこんな騒動に巻き込むことを反省して欲しいという気持ちが勝つ。カルディナーレの結婚式がクライマックスって、何かが違うだろう。

 まあ、目くじらを立てるような映画でもない。イタリアに降り立ったパーカーに「性的な視線が礼儀よ」と言わせたり、パーカーを見つめるラウル・ボヴァに「君のボディ、弾力性を保っているね」とのたまわせたり…その程度のイタリア観に支配されていることは物の数秒で分かる。呑気にバカ騒動を眺めるだけの映画として割り切ることができた者勝ちだ。





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