コンカッション

コンカッション “Concussion”

監督:ピーター・ランデスマン

出演:ウィル・スミス、アレック・ボールドウィン、アルバート・ブルックス、
   ググ・バサ=ロー、デヴィッド・モース、アーリス・ハワード、
   マイク・オマリー、エディ・マーサン、ルーク・ウィルソン

評価:★★★




 アメリカの人気No.1スポーツはもちろん、アメリカン・フットボールだ。毎週2,000万人が熱狂し、子どもたちはスター選手になることを夢見る。スーパーボウル当日は街から人が消えるほど。一年で最もアメリカが盛り上がる日かもしれない。それだからベネット・オマル医師が発表した論文がいかに衝撃的なものだったのかは想像に難くない。試合中の度重なる衝突が原因で選手の脳にダメージが残り、社会生活がままならなくなってしまうというのだから。

 『コンカッション』は寒気がする映画だ。前半はこの事実がオマル医師の手により徐々に明らかになっていくところに冷気が漂う。長いアメフトの歴史の中、どれだけの者がそれに苦しんだことだろう。そしてこれからどれだけの犠牲者が出るのだろう。CTには映らない厄介な病の現実。

 後半になると冷気の発生源が移動する。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)がこの事実を揉み消そうとするのだ。アメフトは単なるスポーツではない。アメリカ大国を支える一大ビジネスだ。都合の悪いことには蓋をしなければならない。たとえ選手の命が危険に晒されたとしても。組織の体質はどこも同じらしい。

 まるでベネット・オマルの論文を読み上げているような作り。オマル医師が問題に真摯に向き合い、外野の野次や妨害に屈することなく突き進む姿が物語の芯を貫く。医師のアクションは監察医として遺体に声をかけるときと同じように静かだ。変な言い方になるけれど、どこかその静かさが心地良くすらある。

 それにウィル・スミスが見事に役に同化している。声を荒らげない。怒りは毛穴に吸い込む。悔しさを泣き声に変えることもない。ともすれば感情を表に出さない退屈な男に見える危険があるところを軽やかにクリア。温厚さに愛嬌を忍ばせる技を見せる。ややオマルが聖人めいてしまったのは演出の責任だけれど、それをカヴァーするスミスの力量。

 ただ、二時間を超える上映時間は長い。冗長に思えるところもある。いちばんの理由はググ・バサ=ロー演じる看護師の女性を登場させたことか。後にオマルの妻になる女性ゆえ安易なカットはできなかったのだろうと承知しつつ、スミスとバサ=ローのいちゃこきが恐ろしく話から浮いているので揶揄いたくもなる。いや、美男美女、とてもお似合いで、そうしたい気持ちも分かるんだけどな。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ