ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 “Bridget Jones's Baby”

監督:シャロン・マグワイア

出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー、
   ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ、エマ・トンプソン

評価:★★




 ブリジット・ジョーンズの人物像を説明した文章でよく見かけるのは、「共感」という文字だ。もちろん女たちからの。これが全く理解できない。彼女のだらしない生活風景は、男たちには決して見せられない大半の女たちのそれを象徴しているらしい。個人的な意見では、女たちは共感ではなく「安心」を得ているのではないか。あぁ、私よりもダメな女がここにいる。私はまだ大丈夫。自分よりダメな女が幸せを掴むのだから、もちろん私も大丈夫。まあ、どうでも良い。

 ブリジット・ジョーンズの人生はやはり幸運だ。43歳になった彼女はTVの報道番組のプロデューサーを務めていて、ふたりの男から求愛される。その上妊娠までやってのけるのだ。それにも関わらず、彼女は不運なふりをする。どうして私の人生は巧く行かないの。相変わらず自分に甘い女だ(そう、自分に厳しいから嘆くのではない。自分に甘く、不幸を装った自分に酔っているのだ)。

 このヒロインを演じるのはもちろんレニー・ゼルウィガーだ。一作目(01年)のジョーンズ役を獲得した頃だろうか。ゼルウィガーはそのしたたかさが演技やキャリアに滲むようになってきた。「ザ・エージェント」(96年)同様素朴な愛らしさが前面に出つつ、しかしその裏に隠れた何が何でも成功するという野心(もちろん非難されるような悪い性質のものではない)がちらつき始め、それをきっかけに実は彼女も腹黒いものをたっぷり具えているという真実が露わになったのだ(「シカゴ」(02年)で絶頂に達する)。それに気づかない者はいつまでも彼女の可愛さを愛し続け、気づいた者は「あぁ、レニーに騙されているよ」と白けたはずだ。

 そんなわけで、実はかなり計算高い面を具えたブリジット・ジョーンズという役柄は、だからこそゼルウィガーにハマるのだ。困ったふりをしながら男たちを誘き寄せ、餌にかかったら簡単には手放さない。色気がない部分はスパッと諦めて、その代わり仕事も私生活も「ドジっ子な私」を徹底し、男が放っておけない空気を作る。関係ないけれど、彼女が日本人だったら、絶対に家庭的であることを武器にするだろう。そして言うのだ。得意料理は肉じゃがです。

 『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』はそういうヒロインの愛らしさをそのまま受け止めて観ることもできるし、その裏にある真実を読むことで突っ込みながら楽しむこともできる(もちろんこちらの見方がオススメ。まあ、害はない。いや、父親候補がふたりいることをなかなか告げないのは有害か)。こういう女を好きな人に「あんた、価値観を考え直した方がイイよ」と意見するのも野暮なことだ。

 けれど、この映画にはそれよりも大変な事実が焼きつけられている。それはゼルウィガーの顔が場面毎に全然違うことだ。コリン・ファースのライヴァル役として登場するパトリック・デンプシーがスティーヴ・カレル化しているのも若干衝撃的だけれど、それよりもやっぱりゼルウィガーだ。お直しでも加齢でも何でも良いけれど、シーンが切り替わる毎にこんなに顔が変わる映画は初めてかもしれない。やっぱり目周りの変化が強烈で、目を見開く度に「あんた誰」状態になる。前二作からの映像が挟まれるのは何かの嫌がらせじゃなかろうか。ちなみに本来のゼルウィガーの面影がいちばん良く表れるのは出産場面だ。あぁ、あの頃の君はいずこへ。





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