インフェルノ

インフェルノ “Inferno”

監督:ロン・ハワード

出演:トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、ベン・フォスター、
   イルファン・カーン、オマール・シー 、シセ・バベット・クヌッセン

評価:★★




 どうやらダン・ブラウンの「ロバート・ラングドン」シリーズは、ロン・ハワード監督とトム・ハンクスの組み合わせで映画化するものと、ハリウッドは決めたらしい。ヒロインはボンド映画のように作品毎にチェンジするという決まりもあるのかもしれない。『インフェルノ』ではフェリシティ・ジョーンズが新加入し、フィレンチェ、ヴェネチア、イスタンブールと場所を変え、前二作と同じことを繰り返す。

 シリーズ最大の特徴はラングドン教授の閃きにある。彼は大変な切れ者のようで、目の前にヒントがあればそれを見逃すことなく、瞬く間に次に何をするべきかを捻り出す。マッチョ系の人物では望めない、文科系の武器である知性。話をどんどん進めてくれるから、こちらの思考が停止している間でも話にスピードをつけられる、大変使い勝手の良い人物だ。

 ただし、前二作とちょいと違っていて、ラングドンは数日間の記憶を失った状態で病院のベッドの上で動き出す。どうやら頭を銃弾がかすめたのが原因だ。ラングドンは訳も分からないまま命を狙われる。つまりそう、実はラングドン、ジェイソン・ボーン風の魅力を獲得しようという魂胆だ。女は謎めいた男に弱いからね。多分。

 そんなことをしてもしかし、物語にロマンが宿るわけではない。ダンテ・アリギエーリの「神曲」、サンドロ・ボッティチェリの「地獄の見取り図」、ジョルジョ・ヴァザーリの「マルチャーノの戦い」…文学・絵画好きの心をくすぐるに違いない芸術アイテムが次々登場するのに、フラッシュバックを多用した謎解きは、頭でっかちな人間による人工臭に包まれ、一向に甘美な気配とは無縁だ。

 そう、相変わらずややこしい。ラングドンがすいすい謎を解き明かしてくれるから良いものの、仕掛けられた謎がそうすべき理由の見当たらない入り組み方を見せ、ほとんど嫌味ではないかと言いたくなる。ハワードの安定感ある演出術によるアクション場面の挿入により退屈とは無縁だが、仕掛けた側が悦に浸る顔ばかりが浮かぶ事態。これを人は自己満足と呼ぶ。

 それに裏の顔を持つ人物が多過ぎるだろう。話をひっくり返す技を次々繰り出して、意表を突く。物語に刺激を与えるには有効な手段でも、それ自体が見物・呼び物になるのはどうか。せめてそれが、正解のない人口過剰問題への回答と直結してくれるのであれば面白いのに。





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