ジェーン

ジェーン “Jane Got a Gun”

監督:ギャヴィン・オコナー

出演:ナタリー・ポートマン、ジョエル・エドガートン、ユアン・マクレガー、
   ノア・エメリッヒ、ボイド・ホルブルック、ロドリゴ・サントロ

評価:★★




 ナタリー・ポートマンのデビューは鮮烈だった。子どもメルヘンでしかなかった「レオン」(94年)の中で唯一煌めいていたのがポートマン。作中最も目に残ったのは、必死に自分を奮い立たせ狙いを定めるショートボブの少女の泣き顔、彼女のガンショットだった。『ジェーン』ではそのポートマンが久しぶりに銃を構える。「マチルダその後」の気配がある…というのは強引か。

 ポートマンが飛び込むのは西部劇の世界だ。善悪がはっきりしていて、銃が身近にあることに不自然さがない世界に身を捧げるポートマン。「レオン」との最大の違いは母となって登場することで、それゆえ獲得した「今の幸せを守る」という覚悟がその身体を貫く。覚悟を決めた女は美しい。

 …と単純にならないのが厳しいところ。ポートマンがさほど魅力的に見えない。加齢という名の自然の摂理なのか、それとも西部で太陽の陽と砂埃を浴びている女としての役作りなのか、終始疲れが滲む顔。60年代に入ってからのオードリー・ヘップバーンがそうだったように、やけにトリガラ感強く登場する。せめて銃を構える場面ぐらいは惚れ惚れさせて欲しい。

 物語はいたってシンプル。オープニングの展開の速さは大いに期待させる。撃たれて瀕死状態の夫が帰還するところから始まり、間もなく追手がやって来ることを察知したポートマンが、手際良く迎え撃つ準備を始める。このリズムが作り出せるのであれば、「真昼の決闘」(52年)的にリアルタイムに沿って話を展開させても良かった。

 ところが、失速は早い。物語の足をふらつかせるのはメロドラマ要素だ。回想シーンが何度も挟まれ、キャラクターの背景の鮮明になっても、物語の速度はみるみる消え失せる。セリフやアクションの流れで説明できることなのに、あぁ、これにより中盤以降はクライマックスの銃撃戦(画面が暗過ぎるがまずまず)になるまで、会話劇が中心になり、これがかったるい。

 結末には苦笑い。ある真相が明らかになり、ひとつの幸せな形が待っている。これが何ともポートマンに都合の良いものだからだ。気の毒なのは夫役のノア・エメリッヒで、全く見せ場がないばかりか、ほとんど愛のキュービッド的ポジションに追い込まれる。逆にかつての恋人役のジョエル・エドガートンはしてやったり。悪役のユアン・マクレガーももう少しユニークな個性を与えて欲しかった。





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