スター・トレック BEYOND

スター・トレック BEYOND “Star Trek Beyond”

監督:ジャスティン・リン

出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、
   サイモン・ペッグ、カール・アーバン、アントン・イェルチン、
   ジョン・チョウ、イドリス・エルバ、ソフィア・ブテラ、ジョー・タスリム

評価:★★




 掴みのエピソードに続くスペクタル・アクションが最初の見せ場になる。「スタートレック」の世界観を象徴するエンタープライズ号がバトルの末に壊滅的ダメージを受け、ある惑星に墜落してしまうのだ。おそらく長年のシリーズのファンにしてみれば、これ以上ない衝撃なのだろう。作り手はその衝撃を予想してほくそ笑む。でも…。

 でもまずは、この重要シーンのとっちからった画の羅列を説明して欲しい。エンタープライズ号の中でクルーが各々の仕事をこなし、そこに乗り込んできた悪党と対決する。これが細か過ぎる編集と人物に寄り過ぎたカメラの影響を受けて、ちっとも興奮させないのだ。エンタープライズ号が攻撃を受けて揺れに揺れるのが、それをダメ押しする。前二作で活躍したお馴染みのメンバーを確認して喜んでいる場合ではない。

 『スター・トレック BEYOND』はアクション演出に問題が多く、その他のシーンも斑が目立つ。技術的な問題もあるものの、中盤以降で興を削ぐのは、転送プラグラムの多用だ。窮地に陥ると、或いは他に策がないと、途端に転送に頼る。こういうものはワンポイントで使うから効果的に見えるのであって、それに頼るのはサスペンスの縮小に繋がることにはもっと警戒するべきだろう。

 エンタープライズ号の墜落は主要クルーをバラバラにしてしまい、その結果が珍しい組み合わせができあがる。カークとチェコフ。スポックとマッコイ。スコッティとジェイラ(初登場)、ウフーラとスールー。面白い試みではあるものの、巧く機能していたのはスポックとマッコイのみ。後のカップルはただ一緒にいるだけ。そしてあぁ、アッという間に全員が再び顔を合わせる。何のために離れ離れにしたのだろう。

 これはすなわち脚本の穴が露呈しているということなのだろう。ジェームズ・T・カーク船長がリーダーとしての自分の資質に疑問を感じて部署の移動を希望している問題や、スポックがバルカン人の血を引くことで恋愛に思い悩んでいる問題等が、序盤で意味深に語られながら、闘いの中でほとんど有耶無耶処理されてしまったのも同様だ。

 でもまあ、悪い点ばかりではない。新キャラクターではジェイラが大健闘。このシリーズらしい凝ったメイクの異星人。バトル場面で身体を動かすのも良いし、銃器が似合うのもイイ。ソフィア・ブテラという女優が本来の姿を消し去って演じている。ただし、動きが綺麗な人であることは良く分かる。「マトリックス」(99年)のときのキャリー=アン・モスを思い出す。同じ奇抜メイクでも彼が演じる意味が分からないクラーク役のイドリス・エルバよりも役に説得力がある。

 そのエルバも、外見の作り込みには難はあるものの、キャラクターの背景には感じるものがある。彼の正体が明らかになったときに頭を過るのは、あの「ウルトラマン」の「故郷は地球」という回に出てきたジャミラだ。哀しく寂しく切ないその存在。でもまあ、ジャミラの哀れさに較べればマシか。その最期はもっと涙腺刺激を意識したドラマティックなものにしても良かった。





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