November 18-20 2016, Weekend

◆11月第3週公開映画BUZZ


“Manchester by the Sea”
 配給:アマゾン・スタジオ、ロードサイド・アトラクションズ
 監督:ケネス・ロナーガン
 Budget:-
 Weekend Box Office:$256,498(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:98.1 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:ケイシー・アフレック
           助演男優賞:ルーカス・ヘッジズ
           助演女優賞:ミシェル・ウィリアムス
           撮影賞、編集賞作曲賞

“Nocturnal Animals”
 配給:フォーカス・フィーチャーズ
 監督:トム・フォード
 Budget:$22,500,000
 Weekend Box Office:$492,648(37)
 OSCAR PLANET Score:68.3
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:ジェイク・ギレンホール
           主演女優賞:エイミー・アダムス
           助演男優賞:アーミー・ハマー
           助演男優賞:アーロン・ジョンソン
           助演男優賞:マイケル・シャノン
           助演女優賞:ローラ・リニー
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

“Bleed for This”
 配給:オープンロード・フィルムズ
 監督:ベン・ヤンガー
 Budget:$16,000,000
 Weekend Box Office:$2,366,810(1549) zzz...
 OSCAR PLANET Score:68.1
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:マイルズ・テラー
           助演男優賞:アーロン・エッカート
           撮影賞、編集賞メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 “Fantastic Beasts and Where to Find Them”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:デヴィッド・イェーツ
 Budget:$225,000,000
 Weekend Box Office:$74,403,387(4144) Great!
 OSCAR PLANET Score:71.4
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:エディ・レッドメイン
           助演男優賞:コリン・ファレル
           助演女優賞:キャサリン・ウォーターストン
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞録音賞音響効果賞作曲賞

“The Edge of Seventeen”
 配給:STXエンターテイメント
 監督:ケリー・フレモン・クレイグ
 Budget:$9,000,000
 Weekend Box Office:$4,754,215(1945) zzz...
 OSCAR PLANET Score:86.5 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:ヘイリー・スタインフェルド
           助演男優賞:ウッディ・ハレルソン
           作曲賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 サンダンス映画祭でプレミア上映されるや否や、傑作との賛辞が乱れ飛んだインディーズ映画が登場。『Manchester by the Sea』がその作品で、寡作だが良質作を連発中のケネス・ロナーガンが監督する。ボストンで便利屋として働く孤独な男が、死んだ兄の遺した16歳の甥の後見人に指名され、故郷で哀しみや責任に苦悩する様が描かれる。ストーリーからも分かるように派手さのない規模の小さな作品だが、批評家の反応は大作を寄せつけないほどに熱い。静かだが深みのある登場人物たちが織り成す物語には、人間という生き物の本質を深く抉る本物のドラマがあり、それを描写するロナーガンの演出力はいよいよ充実のレヴェルにあるとのこと。主演を務めるケイシー・アフレックはキャリアベストの大絶賛評を獲得。甥を演じるニューフェイス、ルーカス・ヘッジズや賞レース常連のミシェル・ウィリアムスも見事なパフォーマンスを見せる。賞レースの主役になってもおかしくない賛辞を受け取っていると言って良く、主要部門を中心に健闘が期待される(批評家賞で最も強いのはこの作品ではないか)。そしてそれを後押しするかのように、興行成績も大変優秀な数字が報告されている。賞レースシーズン、息の長いヒットになるに違いない。

 寡作と言えば、これが監督第二作となるトム・フォードも同じ。8年ぶりとなる長編映画『Nocturnal Animals』は、オースティン・ライトの小説が原作。画廊のオーナー(♀)が元夫の暴力的な著書に衝撃を受ける様が描かれる。現実世界と小説世界が同時進行で描かれる凝った構成のスリラーだが、その複雑な部分を鮮やかに描き出すフォードへの賛辞が目立つ。ファッションデザイナー出身であるがゆえ「シングルマン」(09年)でもその色彩感覚は大いに讃えられていたが、今回もスタイリッシュなヴィジュアルはいつまでも目に残る見事なもの。物語を語る部分においても、フォードはヴィジュアル同等に鮮烈な印象を残しているという。エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、ローラ・リニー、アーミー・ハマー、アーロン・ジョンソン、アイラ・フィッシャーら実力派キャストのアンサンブルも大いに見ものとのこと。題材は決して賞レース好みではないが、注目されるべき仕上がりと見て良いだろう(とりわけシャノンの助演男優賞候補が期待されている)。ただ、興行的には良質レヴューが並んだ割りに、平凡なものに落ち着いている。

 以上の二本は賞レース参戦確実と見られているが、『Bleed for This』もそれに続けるかどうか。元ライト級&ミドル級チャンピオンのボクサー、ヴィニー・パジエンザを主人公にした伝記ドラマ。自動車事故で首を骨折する重傷を負い、歩くことも不可能と思われたパジエンザが、不屈の努力により再びリングに舞い戻る様が綴られる。とりわけトレーナーのケヴィン・ルーニーとの関係が詳細に描かれている模様。批評家の反応は概ね好評といったところで、絶賛とは言わないまでも支持したものが大勢を占める。賛辞の中心は役者のパフォーマンス。パジエンザを演じるため身体を鍛え上げたマイルズ・テラー、主人公を忍耐強く導くトレーナーに扮したルーニー役のアーロン・エッカートはどちらも目に焼きつく鮮烈な印象を残す。ただ、ボクシングを人生に重ねる手法は目新しいものではなく、その点が評価の足を引っ張っているところがある。賞レース参戦に太鼓判を押すには決め手に欠ける。現実味を残すのはフロントランナーのいない助演部門に入るエッカートだろう。興行的にも厳しい出足を強いられている。なお、本作の製作にはあのマーティン・スコセッシが噛んでいる。

 エンターテイメント大作好きには『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』がある。「ハリー・ポッター」シリーズ終了から数年。同じ世界観を舞台に、映画オリジナルの物語が展開。J・K・ローリング自らが手掛けた脚本を基に、ホグワーツ魔法魔術学校の教科書「幻の動物とその生息地」の編纂者と知られる魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが繰り広げる大冒険が描かれる。批評家からも愛された前シリーズ同様、今回も各媒体が発表する評は好意的な見解が圧倒的大多数を占めている。既に紹介済みの世界観を有効活用した上での語り口は、これぞファンタジーと言いたくなるマジカルな魅力がたっぷり詰まっていて、ほとんど初登場の新キャラクターたちが生き生きとその世界を動き回っているとのこと。美術や衣装、視覚効果も充実のレヴェル、エディ・レッドメインを初めとする役者陣も輝いている。オスカーでは技術部門に大きなチャンスがあるだろう。また、知名度を考えれば興行成績も気にかかるところだが、週末成績は7,440万ドルという強力な出足になっている(本家シリーズに較べると派手さに欠けるものの、そこまで望むのは野暮というものだろう)。ちなみに本作は五部作になることが発表済み。幸先の良いスタートを切ったと言える。

 『The Edge of Seventeen』は80年代のジョン・ヒューズ映画のようなポジションにつくかもしれない。トロント映画祭でプレミア上映されて以来、そんな呼び声が高まっている。親友が自分の兄と付き合っていることを知った少女の心の揺れをヴィヴィッドに描き出す。少女の成長を描くカミング・オブ・エイジ ストーリー…と簡単に要約できてしまいそうな内容ながら、練りに練られた脚本(セリフの面白さ)とヒロインを演じるヘイリー・スタインフェルドの溌剌とした魅力が強力で、大人でも楽しめる充実の仕上がりになっていると批評家は大絶賛。歴史の教師を演じるウッディ・ハレルソンを始めとする助演陣や物語を彩る音楽や衣装も繊細でファニーな魅力が溢れているとのこと。スタインフェルドはもしかしたらゴールデン・グローブ賞で候補に挙がるかもしれない。脚本がオスカーレースに絡む可能性も、全くのゼロではないだろう。残念なのは興行成績で、批評に見合った数字とは言い難い。このところ歌手活動が目立っているスタインフェルドにとって、重要な一作になるはずなのだが…。





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