アメリカン・レポーター

アメリカン・レポーター “Whiskey Tango Foxtrot”

監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア

出演:ティナ・フェイ、マーゴット・ロビー、マーティン・フリーマン、
   クリストファー・アボット、アルフレッド・モリーナ、
   ビリー・ボブ・ソーントン、ニコラス・ブラウン、
   スティーヴン・ピーコック、チェリー・ジョーンズ、
   トーマス・クレッチマン、ジョシュ・チャールズ

評価:★★★




 未婚で、子どもがいない。そして裏方仕事ばかりしている。テレビ局に務めるヒロインは、強制ではないものの、そんな理由でアフガニスタンへ派遣される。時は2003年から2006年にかけて。つまりアフガニスタンでは命が危険に晒される可能性が高い。ヒロインは過酷な現実に直面する。ありふれた設定ではあるものの、勝機はある。ヒロインを演じるのはティナ・フェイだ。

 そう、『アメリカン・レポーター』はコメディだ。もちろん厳しい状況は見逃されない。ミサイルで撃墜されるのを防ぐために、螺旋を描いて飛行機は着陸する。オレンジのリュックサックは目立ち過ぎて持てない。砂漠でトイレ休憩でもしようものなら、VIP待遇のような警備が張られる。煙草に火をつけるのは銃。友好関係を築くのに有効なのは、一緒に銃を乱射すること。つまり狂っている。そして狂っているのが普通だ。

 次の瞬間には死んでいるかもしれない状況を、ヒロインは度胸と本音で切り抜ける。そこにフェイの持ち味が生きる。「度胸」とは現場経験の乏しさから来る無謀さに直結する。誰もが怯む状況でも突撃取材を敢行。思わぬ画が撮ることができたと、周りを振り回しながらどこ吹く風。経験を積んだら積んだで、今度は状況を見極める目が養われる。

 けれど、より面白いのはやはり「本音」の方で、自分を客観的に見つめることができ、かつ笑い飛ばせる目を持っていることが、シリアスな状況にくすぐりを入れる。ターバンを巻けばなかなか男前だと言われるフェイは、女を捨てているわけではなく、女だからこその視線を守ることで笑いに抑揚をつける。あけすけなセリフを浴びても吐いても動じない、むしろそれを膨らませられる、あの根っからのコメディエンヌ体質は戦場でも変わらない。

 だからこそヒロインの成長や変化が嘘臭く映らない。彼女は戦場で揉まれる。それを順応する術を学ぶ。頭も身体もそれを覚える。つまり彼女は変わる。その一方で、自分を俯瞰で見られるフェイは、変わるべきではないハートのガードだけは決して緩めない。それゆえ身に着く逞しさだから、魅力的に映るのだ。戦場で知り合う野心家の花形レポーター、マーゴット・ロビー(何とこんな役もできるロビー。かなり芸が広い)との違いはそこにある。

 アメリカ軍が現地の人のために作った井戸が爆発する事件が起こる。この真相を含め、イスラム教の人々が置かれている立場はもっと明確にするべきだった。それから戦場カメラマンのマーティン・フリーマンや現地の案内役であるクリストファー・アボットとの関係も表面を撫でるだけに終始する。あくまでヒロインの人物像を楽しむ映画ということか。もう少し欲張っても良いのに。





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