ある天文学者の恋文

ある天文学者の恋文 “La corrispondenza”

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
傷心旅行 メール アイスクリーム
出演:ジェレミー・アイアンズ、オルガ・キュリレンコ、
   ショーナ・マクドナルド、パオロ・カラブレージ、
   アンナ・サヴァ、イリーナ・カラ

評価:★★




 映画界きってのスケベ紳士と言ったら(いや、最近はスケベオヤジと言った方がしっかり来るか)ジェレミー・アイアンズだ。大抵親子ほど年の離れた若い美女をモノにして、自らの生きるエナジーに変える。『ある天文学者の恋文』ではウクライナの花、オルガ・キュリレンコと愛し合う。オープニングはアイアンズとキュリレンコによるホテルの一室でキス音だ。どうしても破滅の匂いがするのがアイアンズの恋愛の特徴だ。

 ただし、今回はそのアイアンズが愛の深さとやらを見せる。病により死にゆく彼がキュリレンコへの愛を天文学に絡めて装飾する。キュリレンコはアイアンズの死後、その愛を一身に浴びる。達者なアイアンズのこと、それに涙を誘われるかもしれない。…という予測に見切りをつけるのは容易い。監督が毎度精液臭濃いジュゼッペ・トルナトーレだからだ。愛の深さというより、愛の迷走。

 そもそもアイアンズが仕掛ける手の込んだ愛の伝達法が気持ち悪いったらない。キュリレンコに何も告げることなく死んでしまったアイアンズは、生前キュリレンコがどういう行動に出るかを全て見越し、メールやら手紙やら小包やらを死後、時間差で実にタイミング良く届けるよう画策する。それだけでも十分拒絶反応が出るものの、アイアンズはさらにキュリレンコの封印されていた過去まで調べ上げる。立派にストーカー。

 彼には妻子がいて、キュリレンコとは不倫だ。…という一般的価値観からすれば酷いところも、彼を友人に非難させたり、娘の言い分を吐き出させてガス抜きしたり、先手を打って綺麗にまとめようとするところも気分が悪くなる。いかにもトルナトーレだ。愛のなせる業などと美化するのもほどほどに。

 まあ、キュリレンコを眺める分には腹も立たないか。実はアイアンズは大半がDVDでメッセージを送る場面での登場。キュリレンコが実質主演で、出ずっぱりだ。油断するとソフィー・マルソーやイザベル・アジャーニ、或いは石川秀美に見えるキュリレンコは、涙顔も美しい。彼女の観賞用フィルムとして向き合うのが正解かもしれない。

 それにひとつ嬉しいのは、キュリレンコが学生をやりながら、危険なスタントの仕事で稼いでいるという設定だ。全速力で走ったり、大爆発の中をジャンプしたり、火だるまになったり、車ごと坂を転がり落ちたり…。美味しく脈略なく突然のB級風味。束の間安っぽいメロドラマから解放される。キュリレンコがスタントに走る理由は見え見えだけど。





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