バーレスク

バーレスク “Burlesque”

監督:スティーヴ・アンティン

出演:クリスティーナ・アギレラ、シェール、キャム・ギガンデット、
   エリック・デイン、ジュリアン・ハフ、アラン・カミング、
   ピーター・ギャラガー、クリステン・ベル、スタンリー・トゥッチ

評価:★★★




 実力を具えた人気シンガーが、そのまま映画俳優としても成功できるかというと、非常に難しいというのが現実。ホイットニー・ヒューストンはスクリーンに溶け込めなかった。マライア・キャリーは自己愛が強過ぎた。ブリトニー・スピアーズも物語から浮き上がってしまった。テイラー・スウィフトはデカいだけだった。多分アヴリル・ラヴィーンも頑張っても無駄だろう。たとえステージ映えしてたとしても、それがスクリーン映えに繋がらないのは何故。俳優というのはカメラを通して評価されるもので、対象物と肉眼の間にワンクッションあるものだから、その過程を柔軟に切り抜けるのは容易ではないのだろう。映画向きの容姿というのがあるのだ。

…なのでクリスティーナ・アギレラも辛いだろうとフンでいたのだけれど…これが予想外にスクリーンに馴染んでいるから驚いた。と言うより、ちゃんと映画女優にも見えるのである。演技力のあるなしは別にして。

 話自体は何の新味もないものだ。田舎娘がハリウッドで成功を収めるまでのサクセスストーリー。それこそ映画が産声を上げた頃から散々語られてきた物語。こんなに単純な物語をアギレラの主演デビュー作として選ぶとは、もうちょっと捻りが効かせられなかったのかとも思うのだけれど、歌とダンスを次々繰り出してアギレラを輝かせるにはストーリー上の余計な装飾は必要ないと計算したのかもしれない。ヒロインはあっさりハリウッドで仕事を見つけ、才能を開花させ、愛し愛され、バーレスク存亡の危機を救うのに一役買う。何というとんとん拍子。「あんなに素晴らしい歌声なのに、苦労していないわけがない」と語られる場面もあるものの、苦労しているようにはちっとも見えない。夢の前に立ちはだかる障害が低過ぎる!

 …とイチャモンをつけても良いのだけれど、『バーレスク』はもう、アギレラのパフォーマンスをとことん堪能すれば、それでOKという映画だ。バーレスクの経営危機、スターとしての成功、恋愛…といった基本話は全てアギレラを盛り立てるためにある。実際、アギレラの歌とダンスの才能はちょいと眺めただけでもはっきりと分かる。おそらく歌唱力だけならアメリカの若手でトップだろう。ダンスだって相当頑張っている。しかも、歌もダンスも緩急がついているので、熱いけれど、暑苦しくはない。才能を見せびらかす楽曲ばかりではないのだ。押すだけじゃなく引くことも知っている。

 作り手もアギレラのパフォーマンスになると途端に気合いが入る。ラメを降らすわ、カメラが突然動きまくるわ、照明がデリケートになるわ、ヘアスタイルやメイクが凝りに凝っているわ、美術がゴージャスになるわ、引き連れるダンサーが上手に盛り上げるわと、イチイチグラマラス!しかもそこにアギレラのあの才能である。アギレラのミュージックビデオ、或いはライヴステージでも見ているような気分になる。映画ということを忘れもする。それはダメか。

 アギレラが化粧映えする顔なのもプラスに働いている。通常時のナチュラルメイクでもなかなか可愛らしいのだけれど、睫毛をたっぷり盛って唇を真っ赤にする、ステージのための基本スタイルになると、全く違う輝きを放ち始める。楽曲ごとにメイクが変わって(もちろん衣装も変わって)、その度にアギレラの印象も変化していく。ホント面白い。ライヴァル役のクリステン・ベルは最初から最後まであからさまな引き立て役。相手にならない。どうせならスピアーズを引っ張り出してくれよ。

 アギレラの才能を見出すバーレスクのオーナー役にはシェールが扮している。たった2曲しか歌わないのは肩透かし。ダンスもない。せめてアギレラとミュージカル・パフォーマンスで競演して欲しかった。せっかくの配役が勿体無い。





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