October 21-23 2016, Weekend

◆10月第3週公開映画BUZZ


“Moonlight”
 配給:A24
 監督:バリー・ジェンキンス
 Budget:-
 Weekend Box Office:$414,740(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:98.5 BIG WAVE!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           助演男優賞:マハーシャラ・アリ
           助演男優賞:アレックス・ヒバート
           助演男優賞:アンドレ・ホランド
           助演男優賞:トレヴァンテ・ローズ
           助演男優賞:アシュトン・サンダース
           助演女優賞:ナオミ・ハリス
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、録音賞音響効果賞作曲賞

“American Pastoral”
 配給:ライオンズゲイト
 監督:ユアン・マクレガー
 Budget:-
 Weekend Box Office:$149,038(50) zzz...
 OSCAR PLANET Score:33.8 BIG BOMB!
 Razzie Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ユアン・マクレガー
           助演女優賞:ジェニファー・コネリー
           助演女優賞:ダコタ・ファニング

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK “Jack Reacher: Never Go Back”
 配給:パラマウント
 監督:エドワード・ズウィック
 Budget:$68,000,000
 Weekend Box Office:$22,872,490(3780)
 OSCAR PLANET Score:45.9
 Oscar Potential:主演男優賞:トム・クルーズ
           助演女優賞:コビー・スマルダーズ
           撮影賞、編集賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞

“Keeping Up with the Joneses”
 配給:20世紀フォックス
 監督:グレッグ・モットーラ
 Budget:$40,000,000
 Weekend Box Office:$5,461,475(3022) zzz...
 OSCAR PLANET Score:29.7 BIG BOMB!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
            主演男優賞:ザック・ガリフィアナキス
            主演男優賞:ジョン・ハム
            助演女優賞:アイラ・フィッシャー
            助演女優賞:ガル・ギャドット

“Ouija: Origin of Evil”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:マイク・フラナガン
 Budget:$6,000,000
 Weekend Box Office:$14,065,500(3167) Good!
 OSCAR PLANET Score:70.8
 Oscar Potential:None

“Boo! A Madea Halloween”
 配給:ライオンズゲイト
 監督:タイラー・ペリー
 Budget:$20,000,000
 Weekend Box Office:$28,501,448(2260) Good!
 OSCAR PLANET Score:35.5
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
            主演男優賞:タイラー・ペリー

砂上の法廷 “The Whole Truth”
 配給:ライオンズゲイト
 監督:コートニー・ハント
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:39.3
 Razzie Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
            主演男優賞:キアヌ・リーヴス
            主演女優賞:レニー・ゼルウィガー

“I'm Not Ashamed”
 配給:ピュア・フリックス・エンターテイメント
 監督:ブライアン・ボー
 Budget:$1,500,000
 Weekend Box Office:$927,161(505) zzz...
 OSCAR PLANET Score:45.7
 Oscar Potential:None


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 映画ファンならぜひとも注目しておきたい一本が登場。バリー・ジェンキンス監督による『Moonlight』がその作品で、テルライド映画祭でプレミア上映されるや否や、今年最高レヴェルと言って良い賛辞が吹き荒れ、その後も各映画祭でその勢いを加速させるばかりの絶賛評を叩き出しているのだ。麻薬戦争に揺れる貧困地区のマイアミが舞台。そこで生まれた主人公カイロンを幼少期、思春期、青年期と三つの時代を通して描き出す。ストーリーだけ取り出せば単純な青春ストーリーのように思えるものの、そこには黒人社会で生きていくということはどういうことなのか、厳しい現実が鮮明に焼きつけられ、胸を掻き毟られずにはいられない迫力が漲っているのだという。実はカイロンはゲイであり、それが黒人社会においてどんな影響を与えるかも重要なテーマ、そしてやはり胸を打つものがあるらしい。もちろん役者も皆、見事なアンサンブルを奏でている。批評家の賛辞だけで判断するなら、今年の賞レースの顔になっておかしくないと言って良いだろう。尤も、主人公を演じた三人は票が割れるはずで、演技賞チャンスが大きいのは主人公のゴッドファーザー的存在になる男を演じたマハーシャラ・アリ(助演男優賞)、主人公の強烈な母親を演じたナオミ・ハリス(助演女優賞)になると思われる。とりわけハリスは賞レーススタート前ながらBUZZが極めて大きくなっている感。ホワイトオスカーの反動でアフリカ系を取上げた映画が強いと思われる今シーズン、『バース・オブ・ネイション』失速の後、今最も勢いのあるアフリカ系映画と言って良いだろう。興行的にも4館で封切られ、1館あたり103,685ドルと凄まじい出足になっている。賞レースシーズンに向けて息の長い興行になるに違いない。

 『American Pastoral』はフィリップ・ロスによるピュリッツァー賞受賞作の映画化にして、ユアン・マクレガーの監督デビュー作。幸せな家族の肖像が、ヴェトナム戦争の影響を受けた一家の娘がテロ活動に走ることで崩壊していく様が描かれる。映画祭で上映される前の夏先にやたら賞レースBUZZが盛り上がった作品なのだが、蓋を開けてみれば否定派優勢の苦しい判定を受けている。興味深い題材であることには間違いないものの、それに見合った演出力ではなく、物語の吸引力も乏しいとする意見が多い。マクレガーの監督としての才能をゼロと断じるような完全否定は見当たらないものの、積極的に讃えるほどでもないという意見が支配的と言って良いだろう。もちろん賞レース参戦の目は既に消えている。興行的にも大苦戦。マクレガーの監督デビューはほろ苦いものになってしまった。

 リー・チャイルドのベストセラー小説をトム・クルーズ主演で映画化した「アウトロー」(12年)の続編が登場。今回は邦題が分かりやすく、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』。一作目は製作費6,000万ドル、興収8,007万ドル、世界興収2億1,834万ドル…という興行的成果を上げた。決して悪くはない。悪くはないがしかし、続編が作られるべきほどの成功かと言うとそうではなく、批評的にもまずまずの結果に落ち着いていた。それにも関わらず製作にGOサインが出たことに対して驚く者の方が多いのではないかと思われる。そういう見方を吹き飛ばすには批評的成功・興行的成功がどうしても欲しかったはずだが、残念、クルーズ映画としては極めて厳しい評価を受けている。放浪の旅を続ける元エリート秘密捜査官のジャック・リーチャーが自分に仕掛けられた罠を掻い潜り、背後に蠢く陰謀に立ち向かう物語。批評家は新味のない内容と単調な演出で、見せ場のアクションも精彩を欠いていると素っ気ない反応を返している。それならばBox Officeはどうか。週末成績は2,287万ドルで、これは一作目を上回るものの(ただし、一作目はクリスマスウィークでの公開で、単純比較はできない)、ロングヒットになる気配は感じられず、失望の色の方が濃いものになっている。なお、賞レースは端から目指していない。

 笑いが欲しい人に向けて登場するのは『Keeping Up with the Joneses』。ある平凡な夫婦の新たな隣人となったスマートな夫婦が実は覆面捜査官だったことから巻き起こる騒動が描かれる。有望なプロットと才能豊かなキャストを無駄遣いする駄作だと斬り捨てた評が大半になっていて、スパイ映画の醍醐味を期待すると大いに裏切られるのだとか。興行成績も悲劇的な結果に終わっている。ザック・ガリフィアナキスは『Masterminds』に続いて、二作連続の大コケになる。つまりラジー賞に目に留められやすい状況になったと言って良く、合わせ技で演技賞候補に挙がるかもしれない。もちろん他のキャストもそれに引きずられてノミネートされる可能性があるだろう。

 ハロウィンシーズンを狙って封切られるのは『Ouija: Origin of Evil』。2014年映画「呪い襲い殺す」というとんでもない邦題がつけられたホラーの前日譚になる。いんちき交霊会をファミリービジネスとしている一家の娘が悪霊に憑依されてしまい…。実は一作目は批評家にこてんぱんに叩かれていて、肯定評を見つけるのに骨が折れるほど悪評に塗れていたのだが、今回はなんと肯定評圧倒的優勢で、否定票を見つける方が難しいというまさかの逆転劇を実現しているから面白い。一作目には何が足りなかったのか、隅々まで研究したかのような舵切りがなされていて、恐怖の質が格段に上がっていることはもちろん、ドラマ的にも非常に充実したものが提供されているらしい。興行的には一作目の1,987万ドルは下回ったものの、製作費は既に回収。今年のハロウィンの主役はこれかもしれない。

 …という見方に待ったをかけるべく登場するのが、恒例タイラー・ペリーによる「マデア」シリーズ最新作『Boo! A Madea Halloween』。そう、今回はハロウィンを舞台に大騒動が繰り広げられる。元々批評家には愛されない「マデア」シリーズらしく、今回も各媒体の評には辛辣な言葉が並んでいる。同じような場面の繰り返しという指摘が最も多い批判で、すなわちこれまで同様の世界観になっていることが推測できる。ホラー要素があってもマデアはマデアということだろう。そしてそれこそがこのシリーズの強みということか、興行的には相変わらずの支持があり、週末成績は2,850万ドル、見事『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』を下して首位に輝いた。今後もシリーズが続行されることは間違いない。ラジー賞への警戒は必要だが…。

 『砂上の法廷』は日本では公開済みのキアヌ・リーヴス、レニー・ゼルウィガー主演作。莫大な遺産を持つ弁護士が殺害され息子が容疑者になる。一家の弁護士が事件を担当するが…。監督が「フローズン・リバー」(08年)のコートニー・ハントという点が大いに期待させるのだが、その評価には全く及ばない判定を下されているのが厳しいところ。強引な脚本の問題に最後まで引きずられたスリラーで、あるべき緊張感が皆無。ドラマ的にも物足りないという意見が支配的になっている。リーヴスやゼルウィガーの演技を讃えた評もないではないが、少数に留まっている。賞レースに絡むのはラジー賞も難しいのではないか。





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