スーサイド・スクワッド

スーサイド・スクワッド “Suicide Squad”

監督:デヴィッド・エアー

出演:ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、ジャレッド・レト、
   ジョエル・キナマン、ジェイ・コートニー、ヴィオラ・デイヴィス、
   ジェイ・ヘルナンデス、カーラ・デルヴィーニュ、アイク・バリンホルツ、
   スコット・イーストウッド、アドウェール・アキノエ・アグバエ、
   福原かれん、アダム・ビーチ、ベン・アフレック、エズラ・ミラー

評価:★★




 あるキャラクターが言う。女はちょっとイカれている方が良い(You know what they say about the crazy ones...)。名言だ。そしてこの名言にぴったりなのがハーレイ・クインだ。白塗りの肌に、目からは涙メイク。唇は真っ赤で、ツインテールの先はピンクとブルー。ダメージシャツとデンジャラスなホットパンツを装着し、振り回すのはバット。囁くのは道徳観念の欠けた言葉とジョーカーへの愛。マーゴット・ロビー、パーフェクトだ。

 『スーサイド・スクワッド』にはDCコミックス界の悪役たちが次々登場するものの、ハーレイ・クインが断然目立っている。紅一点だからと言うよりも、キャラクターの自由奔放さと正直さが、ロビー特有の何物にも縛られない開放感ある佇まいとフィットしたことが大きい。彼女が動く度に画面が揺れる。男たちは彼女に惚れる。けれど、可愛い笑顔は貰えても、最終的はポイっと捨てられるだろう。でもそんなことで怒る男はいない。彼女は悪(ワル)の天使。ロビーの勝利だ。

 あぁ、それならばハーレイ・クイン単独ヒロイン映画にしてくれれば良かったのに、残念、ここにはむさくるしい男たち、もちろん悪党たちが次々出てくる。極悪人たちを集めて、巨悪を討て。それが悪役部隊結成のコンセプトだ。当然集められる面子は癖が強くなる…はずなのだけれど、これが案外インパクトに欠ける。

 ウィル・スミス演じるデッドショットを見れば良い。凄腕の暗殺者で、スナイパーとしての命中率は100%。チームの中でもリーダー的存在だ。ところが、彼には弱点がある。娘だ。実は子煩悩で、娘のことになると、いつもの冷静さを失ってしまう。つまり、デッドショットは真正の悪党ではないのだ。どこかに人間らしさを残しているのだ。他の男たちもそれぞれ弱みや人間味を具えている。この甘さが命取り。見せかけだけの悪党軍団に見える。ちなみにハーレイ・クインの弱点はジョーカーへの愛。これは可愛いから良いのだ。

 デヴィッド・エアーの演出のもたつきも悪の魅力を半減させる。冒頭から一人ずつ悪党を紹介していくのが野暮だし(演じる役者のネームヴァリューによって紹介時間が異なるのに苦笑い)、軍団のまとめ役として善玉ジョエル・キナマンを放り込むのがイージー。さらには軍団と一緒に善玉集団が行動するのもどうか(スコット・イーストウッドがこの中に混じっているのは、何故)。ジョーカーを持て余しているのも大きなマイナスだ(演じるジャレッド・レトはスケール不足。無理してエキセントリックを気取るのは格好悪い。「ダラス・バイヤーズクラブ」(13年)はそれが巧く機能した例外中の例外)。

 そして最大のミスは敵をバケモノに設定したことだろう。どこぞやの魔女が登場し、大都会を混乱へと導く。当然その周りは視覚効果で満たされる。役柄を楽しんでいるカーラ・デルヴィーニュが好印象でも、バトルシーンで肉体がぶつからないのは、全く持って物足りない。この背景にキナマンとデルヴィーニュの愛を炙り出すのも甘い、甘過ぎる。それならば、実はいちばんの悪という見方もできるヴィオラ・デイヴィスをもっと暴走させるべきだった。心優しい悪党たちの余興で終わらせるには勿体ない。





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