キング・オブ・エジプト

キング・オブ・エジプト “Gods of Egypt”

監督:アレックス・プロヤス

出演:ブレントン・スウェイツ、ニコライ・コスター=ワルドー、
   ジェラルド・バトラー、チャドウィック・ボウズマン、エロディ・ユン、
   コートニー・イートン、ルーファス・シーウェル、ジェフリー・ラッシュ、
   レイチェル・ブレイク、ブライアン・ブラウン、エマ・ブース、
   アビー・リー、ヤヤ・デュン

評価:★




 優れた才能が開花するのは嬉しい。けれどハリウッドで多いのは、むしろ才能を潰されてしまう方だ。アレックス・プロヤスはどうしてこうなってしまったのだろう。「クロウ 飛翔伝説」(94年)「ダークシティ」(98年)の頃の妖しさと翳りが溶けた闇の魅力を、プロヤスは完璧に失ってしまった。視覚効果に塗れた『キング・オブ・エジプト』のような画面を、どうして彼は許すことができたのだろう。

 神々と人間が共存する古代エジプト。プロヤスはそれをギンギラギンに飾り立てる。さりげなくは、全くない。次期エジプト国王になるはずだった天空の神と、その叔父である砂漠の神の対立。彼らは神の力を持つのを良いことに、人間の迷惑顧みず、やりたい放題。大蛇が火を噴き、スフィンクスが岩石の怪物となり、神たちは金色の鳥型怪人へと化けて空を飛ぶ。

 視覚効果をここまで投入するだなんて、プロヤスはマイケル・ベイかローランド・エメリッヒにでもなったつもりか。3Dも念頭に置かれた派手な画面。それを強調すればするほど下品になることに気づいていない。鳥型怪人となった神の滑稽さもしかりだ。「X-MEN」に入れてもらえなかったあんぽんたん風。

 安い視覚効果をさらに強調するのは美術のお粗末さ…と言うか微笑ましさだ。金に物を言わせ絢爛豪華な大スケールの建築が次々登場するものの、いずれも「今ならどれも半額でご提供します」的張りぼて感を発散、中身のない掛け合いを見せる役者たちがコントに興じているようにしか見えないのだ。ふと思い出すのは「風雲!たけし城」だ。そう、スターが素人に見えてくる。

 ニコライ・コスター=ワルドーとジェラルド・バトラーが見せる暑苦しいだけの戦いに混じるのは、盗人役のブレントン・スウェイツだ。目を凝らせばかなり身体を張って頑張っているようなのに、視覚効果に肉体の魅力は完全に封じられてお気の毒。役柄の性格的軽さもあり、ほとんど街でテキトーにスカウトしてきた兄ちゃんと化している。

 コスター=ワルドーとスウェイツの喧嘩しながらの珍道中にはバディ映画の匂いを感じるものの、これもまた大きなインパクトを残すことなく終わる。脱力したのはふたりが宇宙空間(?)にまで飛び出してしまう件で、何とそこにはあのジェフリー・ラッシュがいるのだった。もちろんラッシュとて視覚効果攻撃からは逃れられない。名優も物の見事にマヌケなジイチャンに変身だ。どこかの新興宗教のプロモーション映像で見せられている気分だ。





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