セルフレス 覚醒した記憶

セルフレス 覚醒した記憶 “Self/less”

監督:ターセム・シン

出演:ライアン・レイノルズ、ベン・キングスレー、ナタリー・マルティネス、
   マシュー・グード、ヴィクター・ガーバー、デレク・ルーク、
   メロラ・ハーディン、ミシェル・ドッカリー、サム・ペイジ、
   ブレンダン・マッカーシー、サンドラ・エリス・ラファーティ

評価:★★




 『セルフレス 覚醒した記憶』の世界では、己の意識を遺伝子操作で作った肉体(実際は本物の人間の身体)に「移植」して生き長らえる技術が完成している。例えば戦争帰りの若い兵士の肉体に、癌で余命幾ばくもない老人の意識を移すことができるのだ。大金さえ積めば。なかなかのバカ設定と言える。

 斯くしてライアン・レイノルズの肉体にベン・キングスレーの意識が移される。つまりキングスレーの意識がレイノルズの肉体を操る状態だ。身体交換映画ならハリウッドに限らず腐るほどあるけれど、似た設定のそれらと決定的に違うのは、大真面目に話が転がるところだ。傲慢な性格だったはずのキングスレーは、レイノルズの身体に入った途端、善意の人と化し、この技術の問題点の追及を目指す。

 もちろん無理がある。そもそもが無理のある土台だ。そこに無理矢理サスペンスを放り込んでも、狙えば狙うほど浮上するのは滑稽味だ。ついさっきまで内装を全てゴールドで固めた悪趣味な部屋にいた男が、性格まで新しくしたかのように格好良いヒーローを気取る。レイノルズが元々ヌケた顔なのもクールにキマらない理由だ。

 意識はキングスレーなのに、しかしレイノルズの身体は良く動く。それはまるで精巧な殺人マシーンの趣。身体がレイノルズがレイノルズだった頃の動きを記憶している…みたいな。バレエを踊るかのようにレイノルズが舞う。その度に観る側は突っ込む。ジェイソン・ボーンかよ!

 バカ設定は中盤、ますます広がりを見せる。ある薬を飲み続けないと、身体は元の持ち主の意識が復活し、新しく移植した意識は消え失せてしまうのだ。レイノルズには美人妻と愛らしい娘がいるということを考えると、もはやオチは決まったも同然。ハッピーエンド確実。さあ、安心して結末を見届けよう…って、それで良いの?

 監督はターセム・シン。話にもアクションにも画面にも全く彼らしさが感じられないのに驚愕。敢えて言うなら、キングスレーの悪趣味ゴールド邸がそう括られるのかもしれないものの、ちらっと映るだけで目に残らず。せめてラボの内装はもっとケレンを利かせても良かったのではないか。白系でまとめた装置は味気なく、空間も全く表情を変えない。「ターセム・シン」の身体を借りた誰かの演出じゃあるまいし。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

blogram投票ボタン
blogram投票ボタン
人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ