グランド・イリュージョン 見破られたトリック

グランド・イリュージョン 見破られたトリック “Now You See Me 2”

監督:ジョン・M・チュウ

出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、
   リジー・キャプラン、デイヴ・フランコ、ダニエル・ラドクリフ、
   ジェイ・チョウ、サナ・レイサン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン

評価:★




 イリュージョン犯罪集団と名乗るフォー・ホースメンがとある部屋で身体検査を受ける場面。彼らは重要機密の入った一枚のカードを持っていて、それを取り上げられては拙いという状況。四人は男も女も関係なくあんなところもこんなところも弄られる。ほとんど公開セクハラ。どう考えてもカードを守るのは無理なのだけど、そこは力のあるマジシャンたち。衣服の中や身体の裏に隠したり、そこもばれそうになると隙をついて他の者に投げて急場を凌いだり。ほとんどサーカス的パフォーマンスを繰り出して切り抜ける。これがギリギリのところだろう。

 ギリギリというのは映画表現において許される限界ということだ。映画というものはそもそもがマジックのようなもので、カメラワークの工夫や編集の駆使、視覚効果などの投入などにより、いくらでも加工が可能だ。それを肝に銘じて画面を作らないと、フォー・ホースメンがいくら華麗なる技を決めても映画のマジックによりそう見せられていることが透けて、白けた気分を誘うのだ。

 …ということは実は一作目(13年)で既に分かっていたことで、おそらく作り手の元にもそういう声はたっぷり届いたはずなのに、全く改善の気配がない『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』だ。ある場面ではデイヴ・フランコの手からカードが噴水のように舞い上がり、それが全て地に落ちる頃には彼の姿がカードの下に消え失せてしまう。またある場面では大雨が降る中ジェシー・アイゼンバーグが仰向けに倒れ込むと、そのまま地面に沈んでしまったかのように、やはり彼の姿が消え失せる。全く持って不思議で、でもその種明かしはなされない。作り手が映画のマジックで悦に浸るだけ。

 ウッディ・ハレルソンは催眠術が得意で、これがトリックに大きな貢献をしているのも解せないところだ。事前に催眠術をかけておけば、作戦決行のときに術をかけられた相手はフォー・ホースメンに都合良く動くしかないわけで、ほとんど反則の様相を呈する。もはや種云々等気にせず、派手な画面に全てを賭けているように見える。愚かなことだ。

 まあ、映画でイリュージョンを取り上げる危うさを念頭に置くことができたところで、面白くなったかというと疑わしい。マーク・ラファロが香港の夜の町で大乱闘を繰り広げる場面や、フォー・ホースメンがバイクで町を疾走する場面を見れば良い。せわしないだけで、まるで力の感じられない編集が、アクションから躍動感を見事に奪っている。人間の肉体を大切にできない映画が面白くなるわけがない。

 やっぱりか、物語もつまらない。ダニエル・ラドクリフ演じる悪者がフォー・ホースメンに恨みを持ち、彼らに復讐するという展開の中に、父と子のドラマが組み込まれるもほとんど機能せず。マイケル・ケインやモーガン・フリーマンら大御所も見事に使い捨てにされる。まあ、仕方ないか。主演のアイゼンバーグすら、空虚なる演出の犠牲になり、一向に目立たないのだから。





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